俺は死んだ。多分、即死。
痛みなんて無かったし、寧ろ今、体がフワフワする。何て言うんだろう…

一言で言うなら温かい…

だけど、眩しい。なんで?
死んだはずなのに誰かに触られているような感触。開く瞼。太陽のような光に逆光されて顔が見えない人影。

「あら、起きちゃった?」

…誰?

「ぁう」



……俺の口から「ぁう」…だと!?何と言う事だ!そして、目の前の女は誰なんだ!?

「おはよう、澪。ママですよー」

女は俺の頬をフニフニと触り笑顔で挨拶をする。

あ、この人可愛い…

ってか母親とか言ってたけど俗に言う転生と言う物か?うん、おいしい。俺は転生しても「澪」と言う名前らしいし良かった…

それにしても、転生したのは良いけど、何処に転生したんだろうな。

「そうだ!今日はパパがテレビて活躍してるそうよ!!」

「ぁーぶ(テレビ?芸人か何かか??)」


母はそう言うと、リモコンを手にテレビを付けた。まず始めに映ったのはサッカーのアニメ番組だった。

母は父が出る番組を探している。

だが、変えても変えても、サッカー、サッカー、サッカー。


「ふ、ぁぶ(サッカーしかやってないじゃないか)」

「あ、あったわ」

母は父が出ている番組で手を止めた。

そこには、またしてもサッカーだった。


「…ぁーう(オイオイ、嘘だろ)」

サッカーはサッカーでも、俺がよく知るサッカーじゃない。ってか、人間業じゃないだろ、これは。

テレビに映っているサッカーはまるでアニメだった。変な技を使うわ、蹴ったボールで人間は吹き飛ぶわで。

これは正に超次元サッカー。

つまりは、だ。







此処はイナズマイレブンの世界。
(あ、あれが澪のパパよ)
(ぁうー(何てこった))



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