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俺はよく人生について考える。
いきなり何を言い出すんだと思うだろうけど、生きている中で皆、一度は考えた事があるはずだ。将来の夢とか進路とかが良い例えだろう。
俺の場合はそういうのではなくて、生きている時間の中で起こる出来事についての人生を考えていた。
俺が通う学園は男子校だ。故に…かは分からないが同性愛者が多い。
進学校と言われているから通ったまでの事だけど、進路について考えた事のない俺は同性愛者に囲まれると言う今の現状も人生の一つとして考えている。
故に偏見はしていない。普通に学校生活を満喫して卒業をするだけだ。
と、思ってた。
俺は誰がどう見ても平凡で、学園には美形が多いからきっと皆、そっちに目が行って俺に振り向きもしない。と、思っていたのに恋人が出来た。
恋人の名前は森岡幸喜。彼は小柄な子で彼も俺と同様、平凡といえる子だった。
だけど、付き合っている内に仕草の一つ一つが愛らしく見えて、いつの間にか俺は彼に恋をしていた。
初めて感じた感情に俺は体を震わせた。
今まで生きてた人生の中で初めての恋。
気付いた時はこの愛し合うと言う人生に俺は溺れていた。
…だけど、そんな関係も三ヶ月前に来た転入生によって崩されてしまった。
モドル