02



そんなある日、俺に新たな情報が入り込んで来た。

機械を作る事が生きがいとなっている従姉弟の菖蒲が未来や過去に行ける、所謂タイムマシーンを到頭作り上げてしまったのだ。

ただし、3体だけ。

菖蒲曰く、1体は自分用。1体はオークションに。1体はまだ決まってないと言っていた。


決まってない。その言葉を逃すはずがなく、俺は菖蒲にもう1体を貰えるように懇願した。

渋りながらも案外あっさりと了承した菖蒲に礼をいつかしようと心に決めたものの、すぐに使おうとは考えなかった。


何と言うか…心の準備が必要だったのだ。


過去の自分を使って告白させる事を決めているけど、フラれた時のショックは必ず大きいだろう。


結局、心の準備が出来たのは菖蒲がオークションに出して一週間が経った時だった。

菖蒲曰く、オークションで高値で購入した人は若手の社長だったらしい。見た感じで悪用する人じゃなかったようだったから、その人に売ったらしい。


まあ、その人が誰かは別として俺は到頭、過去に言ったのだ。


過去に行くと、それはそれは大変だった。

まず初めに過去の俺、サトに俺が自分の未来だと気付かせた。

そのあとは彼とコミュニケーションを取らせるための作戦を練りに練って指示をした。

だけど、甘く見ては行けない。今もそうだけど、過去の俺は今以上に口下手で、どちらかと言えば消極的。

簡単に彼に会う事も告白以前に会話すら出来ないだろう。失態だ。

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  モドル

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