09



「持ってやろうか?」

「へ?」


あれから二日が経って、放課後、俺は担任の先生に頼まれて授業に使った資料を片付けに廊下を歩いていた。

てか、あの先生、俺以外に頼んだ事あるのかって時折思う。


渋々と重い資料を運び、歩いていた俺の前に出てきたのは会長だった。


「…半分よこせ。」

「疑問から命令になってるけど?」
「いいから、よこせ」

「いや、持てれるし別にいいよ。」


てか、学園の人気を誇る会長に持たせたら何て言われるか分からない。

特に親衛隊がー…


遠い目で考えていると手元が軽くなった。

会長の方を見ると明らかに俺より多く資料を持っている。


「って、ちょっと!?」

「持つって言っただろ」

「…あー、もうっ」


放課後とは言えど、此処は廊下だ。少なけれど生徒は歩いている。

ちらりと視界に会長親衛隊長が見えた。


ああ、もう終わった。どうにでもなれ。

すぐに資料室に着き、泣きたくなったのを我慢して扉を開ける。


「神楽、顔色悪いが大丈夫か?」

「ああ、大丈夫。ちょっと今後について考えてただけだ」

「…今後を考えるだけなのに重いな」


…会長には分からないだろうね、なんて考えるけど、口には出さない。

変わりに苦笑をして話しを流した。


「手伝ってくれて、ありがとう。だけど、会長は会長なんだから自分の仕事に集中した方がいいよ」

「……どういう意味だ?」

「…俺なんかを手伝わなくてもいいって事」


また間があった。

会長が疑問を口にするときは間がある。怪訝な顔をしていると同時に眉が寄っている。

多分、俺の言い方に問題があるんだと思うけど、これが俺だから仕様がない。


「…神楽は俺が傍にいると迷惑か?」

「は?」

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  モドル

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