07
あれから会長と俺の間に沈黙が入り、無言のまま寮へと帰った。
いや、別れ際には挨拶したよ、ちゃんと。
取り合えず、このことをちーに報告しようと、部屋に入るとリビングに向かい、ソファに身を投げているちーに今日の事を伝えた。
「――て事があったんだ」
「まじで?」
会長との事を話すと目を見開いて驚いていた。
「ちーには同じ事なかったの?」
「いや、俺は昔授業を休む事を伝えてーとかしか話した事ない。」
「…」
「あれかな?俺が来た事によって何か変わったのかな?」
顎に手を当てて唸るちーを横目に俺は晩御飯を作る支度を始めた。
悩んでるちーを待つのに時間が掛かる事くらい自分で重視している。
俺も悩んで気がつけば小一時間経っているからだ。
30分程経って、晩御飯の用意が出来ると無理矢理ちーを呼ぶ。
「ちー!ご飯出来たよ!」
「……へ!?あ、うん」
「悩むのは後にして今は食べてよ」
「サト、お母さんみたい」
「俺がお母さんならちーもお母さんだ」
ちーは俺をサトと呼んで、そう言うとクツクツと笑っていた。
呆れた目でちーを見ているとある事を考えた。
「そういえば、ちーってどうやって此処に来たの?」
学校に行っている間によく思っていた事だ。いつも、寮に帰ると忘れてしまっていた事を口に出す。
「んー。俺って従姉弟に菖蒲ってお姉ちゃんいるじゃん」
「あー、あの機械オタク?」
「そうそう。その菖蒲がとうとう過去に行ける機械を造っちゃったんだ」
凄いよな、と苦笑するちーに今、何処かにいるだろう菖蒲の顔を思い出しつつ、同じように苦笑した。
モドル