02



生徒会室に着くと何の迷いもなくバンッと大きな音を発てながら、いつものお決まりの台詞を斉藤は言う。


「遊びに来てやったぜ!!」


何様だっつーの。

ほら、やっぱり君の勘違いだ。会長は此処から見えにくいから分かんなかったけどさ、君が入った瞬間、皆嫌そうな顔したよ。


…ん"〜



「ねぇ斉藤君…やっぱり、生徒会の皆様、忙しそうだし帰ろ?」

「何言ってんだよ!仕事もたまには休まなきゃいけないんだぞ!!」


たまに…だと!?

…よく言えるよ。君、毎日毎日飽きずに此処に来てるじゃないか。たまにじゃないじゃない。てか、逆に忙しくさせてるだけだからね!?


「ほら、いつもの席に座るぞ!!」

「へ?…う、うん…」

「分かればいいんだよ!!佑里!ジュース頂戴!」

「…はあ、わかりました」


…やっぱり駄目だった。何でちゃんと口に出来ないんだろ?あ、悲しくて涙出そうだわー…


「どうしたんだ?早く座れよ!」


ぽんぽんと自分の隣を叩く斉藤。そこがいつも俺が座る場所でもある。

遠慮なく座っている斉藤は本当に何様なんだろうか?さっきも副会長にジュース頂戴とかお邪魔までしてるのに失礼な事をお願いするし…


「ほら座れって!」

「わっ」


ぐいっと引っ張れてバランスを崩した俺はギリギリ机に手を着いて倒れるのを塞いだ。

それに驚きながら「鈍臭いな!気をつけろよ!!」とか言う斉藤、まじウザい。


「…うん、ごめん」


それでもお前のせいだよと強気になれないから、取り敢えず体制を立て直すと手首にズキリと痛みが走った。


あ、…捻ったぽい



「あ、やっとジュース持って来た!!遅いぞ、佑里!!ほら、皆も一緒に遊ぼうぜ!!」

「…そうですね。どうぞ宮下君も座って下さい」

「あ、はっはい…すみません」


ニコリと微笑んで俺が席に座るのを見て、俺の前に紅茶を置く副会長。いや、本当に何も手伝い出来ないし寧ろ邪魔してすみません。


「ふふっいいんですよ。宮下君は悪くないんですから、ネ」

「………………はい」


再び微笑んだ副会長の目は笑っていなかった。

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  モドル

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