忘却前提の契りを、君と



何の保証もないまま
あの日
僕等は契りを結んだけれど

僕等の道は
あの日を最後に
八方に散り、進んでいた
気付かない内に、刻々と


思い出せない
あの子の声が
思い出は確かにあるのに


今が過去に化すまでの時は
あと何分ありますか?

未来が僕の理想を破壊するまでの時間は
あと何秒ありますか?

猶予を下さい
猶予を下さい

僕の知らないあの子が居て
あの子が知らない僕が居る
とうの昔に理解していた
うん、御名答。
認めたくなかっただけ


背中の向こうを
時が去ってゆく

あの契りは錆びないだろうか

せめて僕は
果たそうと思う

年老いて
皺だらけになった顔を歪めて
笑ってやるつもりだ

何十年も先の未来、
あの木の下で





(─きっと君は来ない)
(だけど)
("遅いなあ、")
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -