君は嘘吐き、僕も嘘吐き


小洒落た額縁に
ろくでもない写真を飾って

過去を笑えばいいさ



君が言いたいことは
そういうことだろう?


特定が出来ない程
ばらばらに切り裂いた紙片を
大気にばらまけばいいさ


出来ない、
なんて嘘だろう?
君の願望を
僕の前で見せてよ


結論
全てが綺麗事
御丁寧に埃も避けて



次に君が嘆いたら
僕が代わりにやってあげる


何を使おうか

マッチなんてどうだろう!



絢爛豪華な額縁を
右手の甲で叩き割る
硝子片が突き刺さったけれど
僕は君の為に


薄汚れた写真を
無残で酷な姿へ
目出度いね、血液付きだよ
僕は君の為に


泣き叫ぶ君を横目に
赤燐を擦れ合わせて発火


もう手遅れだよ、御免ね


 僕は君の為に───




灰を掻き集める君
無情にも
指の隙間から昇華


僕は
単純作業を繰り返す君を
ただただ
見つめることしか出来なかった



嘘吐


(僕は過去に縋る貴女が厭です)
(だけど愛しています、)


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