ネタメモ | ナノ

2021/03/28 Sun

※男体に妊娠や出産といった表現を使います
※出産や妊娠になぞらえた主人公のご都合術式(オリジナル、わりと最悪)が出てきます
※何でも許せる方のみどうぞ
※本当に何でも許せる方のみスクロールしてください









・主人公:高専二年。呪力で作った「種」に自分以外(性別不問)の呪力を流し込むことで「胚」を作り出せる。「胚」は自分か相手の胎内に埋め込むことで成長して呪霊となり、産まれると主人公の手駒とすることができる。できあがる呪霊の等級・強さは相手の呪力に依存するため、より強力な呪力を持つ者を「親」とすることが望ましい。
宿儺の器である虎杖の呪力をちょっと拝借するため、深夜虎杖の部屋に忍び込んだ。

・宿儺:虎杖の中で暇している。ぼんやりしていたら妙な学生が部屋に来て寝ている虎杖に近づいてきたから、ちょっと顔を出してみた。



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※名前変換不可のため主人公=●としています



「――その『種』に他人の呪力を……ほう、それで?」
「……それで、『胚』を作ったら俺か虎杖の身体に埋め込む。すると胎内で呪霊が育って……二週間もすれば、『出産』に至るはずだ」
「『出産』!」

 極度の緊張に汗を噴き出させながら喋る●に、宿儺は酷薄に笑った。底意地の悪い哄笑が部屋に響く。
 ベッドに悠然と腰掛けた宿儺は嗤いながら、床に跪いた●に問いかけた。

「それで、何故この小僧が相手なんだ。貴様の趣味か?」
「……いや、俺の個人的な趣味ではない。なんたって虎杖は宿儺の器だ。コイツを親にすれば、きっと強い“子”が産まれる。……俺はもっと強くなれる」
「……ほう?」

 ――強くなれる。●の言葉に少し興味をそそられたのか、宿儺は片眉を上げて口元を指で撫でた。

「産まれた子――呪霊か。それは必ず貴様の言うことを聞くのか」
「……そうするにはいくらか躾が必要だ。親の言うことを最初から聞く子どもなんて滅多にいない」
「それはそうだな」

 口元を撫でていた手を止めた宿儺は、●の方へ指を向けた。その途端襲いかかってくる怖気に●は肩を震わせる。恐ろしくてたまらなかった。まさに風前の灯のごとく、この身など彼の吐息ひとつで消し飛んでしまうだろうという確信だけがあった。

「ケヒ、そう怯えるな。今オマエを殺そうとは思わん」
「……」
「呪霊の出産か……少し、興味が湧いた」

 宿儺は再びケヒ、と独特の笑い声を漏らすと、「それを寄越せ」と言った。

「は……?」
「……それを寄越せ、と言ったんだ。次はないぞ」

 宿儺は焦れたように指をくいくいと折り曲げた。●は青褪めてその意味するところを理解すると、呪力で作った「種」を差し出した。

「俺の呪力を流し込んでやる。代わりに、オマエが産め」
「え……?」
「嬉しいだろう。この上なく強い子どもが産まれるぞ。オマエは強くなれる。俺の力でな。そして見せてみろ、呪霊の出産とやらを」
「……あ、……すく、な……?」
「オマエ、お産の経験は?」

 宿儺は受け取った「種」に呪力を注入しながら問うた。宿儺の言動すべての意味がわからないまま「いや……」と首を横に振る●に、宿儺は面白そうに頷く。

「そうか、なら尚のこと面白い。初産が俺の“子”は辛かろうな。……ほら、『胚』を作ってやったぞ。胎内に埋めろ」
「あ、うああ……!」

 宿儺は少し身をかがめると、出来上がった「胚」を服の上から●の下腹部へ押し付けた。宿儺の呪力が流し込まれた胚が、下腹部の皮膚に溶けるようにしてずぷりと胎内に取り込まれる。その感覚にたまらず●は口元を抑えた。あまりに強大で禍々しい呪力の一端を流し込まれて、吐き気と悪寒がした。身体が宿儺の呪力を拒んでいる。腹の底に氷の塊を入れられたように、身震いと冷や汗が止まらない。

「はは、頑張れ頑張れ。強い子のためだ」
「……う、あ……なんで、……?」
「何故、だと?」

 胎内に「胚」を埋め込み終えた宿儺は、ぐったりと床に倒れ伏す●を見て、少し目を細めた。

「――気になっただけだ」
「きに……なった……?」
「呪霊の出産とやらが。そしてどんな“子”が産まれるか」

 ――それだけだ、と言って宿儺は消えた。虎杖の肌からすうと刺青のような文様が消えて、それでようやく●は怖気から解放される。

「はは……ははは……」

 床に倒れたまま、●は下腹部を撫でて狂ったように乾いた笑いを溢した。この身に宿るのは明らかに呪いの王の呪力だ。コイツを無事産み落とせれば、と●は考える。――俺は今までよりずっと強くなれる。
 それを思うと、笑いが込み上げて仕方がなかった。まさかこんなことになるとは思わなかったし誤算も良いところだが、全くもって悪くはない。

「はは……やったぞ……俺はやった……」

 瞳を爛々とかがやかせながら額に滲む脂汗を拭った●は、そこでとうとう力尽きた。異変に勘づいて目覚めたらしい虎杖の呼ぶ声が、薄れゆく意識の中で聞こえた。


 ***


「――俺の術式は一種の呪霊操術ですけど、圧倒的にコスパが悪いんです。まず手駒を一体増やすのに時間がかかるし、一般人の呪力からじゃどうしても強いのは産まれない。そうするとやっぱり、誰か強い術師の呪力だけ『種』に注入してもらって、俺が産むのが良いと思いました。要は、数よりも質を取った形です」
「僕はそんなこと聞いてるんじゃないんだよ」

 医務室のベッドに横になっている●に向かって、出張から戻ったばかりの五条は言った。家入から「五条、オマエの生徒が宿儺の子を身ごもったらしいから早く帰ってこい」なんて連絡が入ったものだから、さすがの五条も度肝を抜かれて文字通り飛んで高専に帰ってくるしかなかった。
 五条はアイマスクを下げて、生徒の腹の中で蠢動する呪力の塊に指を向けた。●の下腹部あたりにわだかまる種のようなそれは、●の呪力を食いながら時間をかけて育ち、やがて呪霊となる。

「●、悪いけど腹の“ソレ”は今すぐ祓う。見たところまだそれほど育ってないから、今なら問題なく祓える」
「……ちょっと待ってください、祓うんですか」
「当たり前でしょ。もしそれが完全に育って産まれたら、おそらく特級かどれだけ低く見積もっても準一級になる。●じゃ扱いきれない」
「何より、産まれる瞬間に君の腹を食い破って出てくるなんて可能性もある」

 横から家入が言った。軽く身を起こした●は腹を庇うように身を捩り、必死な顔をした。

「祓わないでください」
「は?」
「先生、祓わないでください。コイツは、産みます。俺が産みます」
「それ本気で言ってるの?」
「本気です」
「……それが許されるとも思ってる?」
「……宿儺は」

 ●は腹を抑えたまま言った。

「宿儺は、『俺の呪力を流し込んでやる。代わりに、オマエが産め』と言いました。……代わりに、という言い方をしたんです」
「……縛りの可能性があると?」
「ないとも言い切れません。俺が産まなければ、何が起こるか分からない」
「産んでも同じことだよ。何が起こるかわからない。……●、僕はさあ、なるべく生徒の自主性ってやつを重んじてるんだけど、こればっかりは無理だ」
「……」
「まず産むときのリスクが高すぎる。何せ“親”が両面宿儺なんだ、どんな最悪だって想定すべきだよ。それこそ硝子が言ったように●自身が喰われる可能性すらある。産まれてからだって、●が扱いきれなければ危険だ。それに産まれた呪霊を●が扱いきれたところで、宿儺の呪力から作られた呪霊なんて上の連中が黙ってない。八方塞がりだよ」
「……それでも」

 俺は産みたいんです、と●は溢した。それがまるで本当に子を取り上げられそうな母親のような悲痛さだったから、どうしてそこまで必死になるんだと五条は心底不思議に思った。
 上げていたアイマスクを下ろして、椅子にもたれる。アイマスク越しにも生徒の下腹部に蠢いているソレが見えて、五条はまた深く溜息を吐いた。



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この後なんやかんやありつつ宿儺立ち合いのもと出産まで漕ぎ着けるが、産まれた呪霊は「こんなものが俺の……? つまらんな」と宿儺に瞬殺されてしまう。
「もう少し呪力を注入したほうが良かったのか? それとも腹にいた期間が短かったのか」
「……それは、あると思う。多分生育期間が足りなかった……早産だ」
「なるほど。……おい、『種』を作れ。もう一度だ」
と文字通りお腹を痛めて産んだ呪霊が瞬殺されて憔悴しきっている主人公と、納得する呪霊が産まれるまで挑戦させる呪いの王……。

………という話を書きたかったのですが、いかんせんこれは……と思ったので、ネタメモに投げて満足しておきます。一応考えていたタイトルは「しあわせかぞくけいかく」。最悪ですね。

あまりにアレだなあと思ったら消します。お目汚しすみませんでした。

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