2021/02/16 Tue
※2/15発売本誌登場新キャラ※
!本誌ネタバレ注意!
!okな方のみご覧ください!
・
・
・
・
・
・
・
0から100まで存在しない記憶の直哉夢です。
来週以降の本誌等で矛盾が生じたら消します。
・主人公:禪院の傍流出身で直哉の側仕え。京都校生。交流試合で夏油にボコられた。
・直哉:主人公のことをよく殴る。倫理観が終わっている。禪院の次期当主様はこの俺や。
(※交流戦は2.3年生メインのイベントですが、五条と夏油も1年ながら参加している……という体になっています)
-------------------
※R-18
※イラマ、飲精、暴力表現あり
※直哉の口調はエセです。すみません
※何でも許せる方のみ
「――それで? あの一般出身の一年に負けたん?」
「…………」
直哉さんの目がギッと見開かれた。俺はぐっと唾を飲みこむ。まつ毛の濃いすっきりした形の目が、こちらを射殺さんばかりの光を放っている。これはもしかしたら、家入さんに治してもらった交流会での傷よりも酷い怪我を負わされるかもしれない。そう思うと肩がギュッと縮こまった。
「あ? 返事しろや」
「そ、そうです……」
「ハーーーッありえへんわ、ほんま。いやぁ、オマエがどんだけボコられようと死にかけようとそんなんはどうでもええねん。オマエのせいで俺の評判まで傷付いたらどないしてくれんのって話や」
もともと傷つく余地があるほど直哉さんの評判が輝かしかったことがあるのかは分からないが、まさかそんなことは口が裂けても言えないので、俺はひたすら平伏して「すみません」と繰り返した。
「そらな、俺かてオマエ如きが五条に敵うとは最初から思うてへんわ。けどなぁ、一般家庭出身の術師"もどき"にやられるってどういうことやねん。もし俺がオマエやったらもう恥ずかしゅうて外歩かれへんで」
「すみません……」
「しかも負けたってゆーんに妙にスッキリした顔して、何なん?」
「すみません」
「申し訳ございません、やろ」
「申し訳ございませんでした」
ひたすら畳に額を擦り付けながら謝る。そもそも今年の交流戦は東京校の圧勝だった。俺が勝ったとか負けたとかはもはや瑣末な問題に思えるほどに、だ。俺は何に対して謝ってるんだろう。負けてすみません? いや、あれは俺じゃなくても絶対に負けてた。直哉さんだって勝てるか怪しいくらいだと思う。けど謝らないともっと機嫌が悪くなるから、とりあえず今はごめんなさいと言うだけの機械になるしかない。ごめんなさい、直哉さん、ごめんなさい。
「……なんて言わはったっけ、ソイツの名前」
「夏油くんです」
「そや、ゲトーや」
俺がやられた東京校の夏油くんというひとは、実に優しいひとだった。戦闘不能になった俺に手を差し伸べてくれたし、「ごめん、少しやりすぎた」なんて言ってくれた。友情を感じた。だから例え俺の左腕が彼の呪霊にばくんと喰われかけ、今まで生きてきた中で一番肝を潰していたとしても、「そんなことないよ」と笑って許せてしまうくらいには俺は彼のことを気に入ってしまった。それに試合の後には他人にも反転術式を使える彼の同級生・家入さんのところまで肩を貸しながら連れて行ってくれたし、直哉さんのアドレスしか登録されていない私用のケータイで連絡先を交換した。井上和香の待受画像も赤外線で送ってくれた。五条家のお坊ちゃんはなぜか微妙な顔をしていたけど、こういうのってすごく青春っぽくて良いななんて思ったのだ。これはもう友達と言っても良いのではないだろうか。
今まで俺が仲良くなれそうだと期待した人はなぜかみんな周りからいなくなってしまったから、ついつい夏油くんとの熱い友情を期待してしまう。俺の顔が妙にスッキリして見えるというなら、きっとその辺りが理由だろう。闘いを通して得た友情に胸を膨らませているのだから。
「で? どないな術式なん」
「え……」
「何アホみたいな顔してんねん。ゲトーの術式や。いちいち言わせんなや」
「じゅ、呪霊操術です。体内に無数の呪霊を飼っているようで……」
「けったいな術式やなぁ、きっしょいわぁ。……ん? それやったら相手は呪霊ってことやろ? ほんならいつもみたいにフツーに祓ったらええやん。どないして負けるん」
「えっと……既に夏油くんが取り込んだ呪霊の数は、数百をくだらないと思います。手数が段違いなんです。それに呪霊の等級は準一級から一級のものもいるようですし、彼本人の体術も……」
「ええ、もうええわ。言い訳しなや」
「……」
直哉さんはうるさそうに手を振って遮った。どんな術式かと聞かれたから答えただけなのに。でも仕方ない。彼が黒と言えば俺は白いものも黒として扱わなくてはいけないのだ。そういう風に生まれたし、そういう風に育てられた。もう今更逃れる術などない。人はそうそう生き方を変えられないし、運命にも抗えない。
「ゲトーくんねぇ……」
直哉さんは女の子に好かれそうな眦の切れ上がった目を細めて、何かを考えるように呟いた。俺は少し面を上げて続く言葉を待つ。
「なあ」
「はい」
「俺とそのゲトーとかいう奴やったら、どっちが強いん」
「それは……」
俺は少し考える。夏油くんの手数の多さ、冷静な判断能力、そして何より華々しさすら感じる素晴らしい体術――実際に闘ったからこそ分かる彼の強さを思い出して、口を開いた。
「――夏油くんだと思います」
「……は?」
「う"ッ……!」
答えたとたん、顔面に蹴りが入った。俺はうしろにふっ飛んで、襖にぶつかる。
(ま、まずい……)
俺は顔を抑えながらやってしまったと思った。咄嗟に呪力でガードしてしまったのだ。おかげで鼻の骨は折れずに済んだが、これは本当にマズイ。直哉さんの突発的な暴力はこんな風に防いではいけないのだ。彼の暴力はきっちり一から十まで受け入れないと、直哉さんはすごく怒る。
「何や、もっぺん言うてみ? 俺がその一般家庭出身の三下より弱い言いたいんか」
「ぐ、ぅ……っちが、いま、ッア"ッ……」
「オマエのそれ、ただ馬鹿正直なんか俺への当て付けなんか知らんけど、ホンマ頭に来る」
「あ、ご、ごめっ、なさっ……!」
ガッ、ガッ、と容赦なく降ってくる蹴りに身を丸くする。あぁ、いま肋に入った。物理的な圧迫で肺の空気が絞り出されて、でも痛みに喘ぐ俺の脳は酸素を欲しがっているから、体と頭がリンクしなくて息の仕方が一瞬分からなくなる。
「ヒュ……ぅ……あ"……っ」
「……ん。どや、顔上げてみ?」
散々蹴り嬲って少し満足したらしい直哉さんが、俺の前髪を鷲掴んで引っ張った。涙で煙る視界に、いかにも嗜虐的な色を含んだ鷹みたいな瞳がうつる。ゼェゼェ荒い息をするみっともない顔の俺を見て、直哉さんの機嫌は少しなおったようだった。
「――で? 俺とその三下やったらどっちが強いと思う? 正直に、答えてみ」
「……な、なおやさん……です」
「そやなあ、そうやろなあ。……最初っからそういう態度に出とけばええねん。痛い思いしたないやろ」
ぐいと顔を近づけてきた直哉さんの赤い舌が、そのうすい下唇を舐めた。細められた目には欲の色が灯っている。あぁ、やっぱり"こう"なるか。
俺は痛みでぼんやりする頭で、直哉さんは殴るから興奮するのか、興奮するから殴るのか、どっちが先なんだろうなと思った。
「――ぐ、ぅ……っふ、んんッ」
「歯ぁ当てたら殺す」
「う"ぅっ……! ぐ、……ン!」
「あ〜、気持ちええわ。そのまま喉締めとき」
「ンン"! ……ッンぅ!」
俺の頭をがっちり両手で固定した直哉さんが、昂った剛直を容赦なく俺の喉奥まで押し込んだ。反射的な嗚咽と涙が溢れる。それでも直哉さんは構わず、喉奥の窄まったところ目掛けてピストンする。これをされると次の日まで喉が痛むから嫌だけど、普通に咥えるよりこっちの方が早く出してくれるからまあ楽と言えば楽だ。
鼻先に下生えが触れそうなほど深く突き入れられて腹の底から嘔気が込み上げたが、それをぐっと飲み込んで堪えた。以前そのままゲロって死ぬほど殴られたからだ。俺のゲロまみれになったちんこを見てバチギレしている直哉さんはちょっと面白かったけど、正直今は交流会をこなした後でかなり体力を消耗しているから、今日のところは殴るのはもう勘弁してもらいたい。
「あぁ、もう出そ……っ」
「んっ、んぐ……ッ」
「っ……! ……ふぅ」
「ン、んぅ"ッ!!」
押さえつけてくる直哉さんの手の力が強まったかと思うと、そのまま喉奥に直接精子をどぷりと流し込まれた。
「……あー、出た出た。よう出たわ」
「ん、ぅぐ……っ、……」
「ほら、吐き出したらアカンで。禪院の次期当主様のありがた〜い子種なんやから、一滴も溢さず飲まな」
そんなありがたい子種なら、俺の喉に無駄撃ちするべきじゃないとは思わないのだろうか。そんな反抗的な言葉は咥内に絡みつく液体とともに飲み下す。精液なんてのは決して飲むためのものじゃない。喉が飲み込むのを拒否している。それでも一生懸命に飲み込むと、自然な嘔気が再び込み上げた。
「ぅっ……うぉえっ……」
「ハァ〜……萎えるわぁ、もうちょい美味しそうに飲まれへんの」
「す、すみませ……っ」
「ま、ええわ。服脱ぎ」
「……」
「はよ」
この目でじっと見下ろされると、そうしないといけないという気持ちになるから不思議だ。俺は口元をぬぐってから、ボロボロになった制服を脱いでいく。制服の下からは、"きれいな"肌が現れた。
「……あれ、怪我は? 何でこないな……キレーなってるん?」
「あ……家入さんに……」
答えると、チッと舌打ちをしてから「余計なことしよって」と直哉さんは呟いた。
「東京校の女はほんまどいつもアカン。どいつもこいつも生意気そうでアカンわ」
「っぁ……!」
「女は黙って男の後ろ歩いてくればええねん。……けど残念やなぁ、オマエが女やったら俺の側室くらいにはしたってもええと思うたけど」
「ぁ……う、」
「そいやオマエ、昨日の団体戦とき吐いてたよな? 腹にモロに食らってたもんな。そのあとなんか食べた?」
「いえ、食べて、ませんっ……」
「ほな今朝は?」
「いいえ……」
「そやなあ。今朝は俺のせいで食いっぱぐれたんやもんな。……ほな昨日から食べたモンは何も消化されてへんな」
戯れのように形の良い指先が乳首に触れる。たったそれだけで、もうすっかり快感の拾い方を教え込まれたそこにはぴりぴりと甘いしびれが走った。
「後ろ向きや」
くりくりと乳首を掠めていた指がべちんと胸筋を叩いた。それが意図することを汲んだ俺は、言われた通り直哉さんに背を向けて、そのまま下着も脱ぐ。自分の人差し指と中指を舐めて濡らし、四つん這いになるような恰好で後孔へと指を沈めた。
「ぅっ、ふぅ……っ」
目の前でそこをほぐし始めた俺を、直哉さんはごく楽しそうに見ているのだろう。ぐちゅ、と控えめな水音がした。
「あーあ、オマエほんま勿体ないわぁ。閨で従順なとこだけは俺オマエのこと買ってんねん」
「んっ……はぁっ……」
「オマエ程度のしょーもない術式持って産まれるくらいやったら、いっそ女の方がまだマシだったんとちゃう? ……指どけて、もう入るやろ」
「ぅあ、ま、まだっ……! ぁあっ!!」
「あー、キツイなぁ……」
慣らしていた指を退かされたかと思うと、そのまま一気に奥まで貫かれる。どれだけ回数を重ねても、この瞬間のゾワゾワとするような違和感と痛みには慣れない。
尻だけを高く上げて、頬を畳につけた格好のまま、ずちゅずちゅと内壁を擦られる。それでもすっかり"躾けられた"身体はそんな性急な動きにもあっという間に馴染んでいって、じんじんとした気持ちよさが下腹部に生まれ始めた。
「あっ、あぁ……っ! んっ、なお、やさっ……!」
「こうしてるとホンマに可愛げあるんやけどなぁ。儘ならないもんやね。あー、なんやこう、上手いこと男体を女体に変える術式とかあらへんのかな」
「はっ、なん、でですかっ……ぁ!」
「なんで、ってそんなん……ほんまアホやなぁ。そしたらオマエ、俺の子産めるやん。嬉しいやろ?」
「うれっ……!? ぁアッ!」
背中から覆い被さられて、耳元で囁かれる。直哉さんの子を産めるだって? 嬉しいわけない。全くない。何で俺がアンタの子を孕んで喜ぶのが前提なんだ。そう内心で思っていたとしても、すっかり禪院で飼い慣らされた俺はこう答えるしかない。
「うれ、しいです……っ」
「うん、そやなぁ、素直でええ子や。ずっと今みたいに素直でおったらええねん」
直哉さんの息づかいが荒くなって、抽送のスピードがはやまる。あぁ、もうすぐ終わる。よかった。出来れば中には出してほしくないけど、多分出されるだろう。仕方ない、早めに掻きだせば大丈夫なはずだ。
「ん……? なんや」
――そのとき、不意に音楽が鳴った。聞いたことのある着メロだなと思ったが、よくよく考えてみるとそれは俺が設定している私用の携帯のものだ。脱ぎ捨てた制服の中で鳴っているらしい。
「誰やねんこんなとき……――あ?」
「え…………んぐっ!?」
「……なぁ、これどーゆーことなん? 何で"夏油"がオマエのケータイ鳴らすん? いつ登録したん?」
「う"っ……ぐ、」
直哉さんが俺の後頭部の髪を掴んだ。するとそのまま畳に向かって頭を叩きつけられて、俺は強かに鼻柱を打った。顔は見えないが、背後の直哉さんの機嫌が急降下しているのがわかる。あぁ、やってしまった。これは長引きそうだ。
「……ごめ、なさっ……」
「ごめんで済んだら呪術師いらんねん」
「うぐッ!!」
もう一度、顔を畳に打ち付けられる。そのとき直哉さんがアレ、と声を出した。
「……そいやオマエ、俺が開けてやったピアスどした。落とした?」
・
・
・
・
「……傑なにしてんの、ってウワ、あの禪院んとこのに連絡してんの? やめとけよ」
「あぁいや……彼、ピアスを落としてったみたいで。硝子が治療したときだと思うんだけど……」
「そんなんほっときゃいいじゃん、あそことは関わらない方がいいぜ」
「そうは言っても高価なものかもしれないし、大事なものかもしれないから……一応ね」
「そういうところ妙に律儀だよな、オマエ」
今日登録したばかりの番号にかけ、コールを待つ。手の中には、さっき拾ったきれいなピアスがひとつ。彼がしていたものだ。キャッチの方は見つからなかったが、これだけでも届けてあげた方がいいだろう。悟は眉根を寄せているが、彼は悟が思うような悪い人間じゃないと思う。
そう思って電話を掛けてみたものの、いくら鳴らしても彼が応答することはなかった。
「……出ない」
「移動したりして忙しいんじゃねぇの? もう良いだろ、行こうぜ」
急かされて、私は手の中のそれをポケットに突っ込んだ。彼が電話に出ないことがやけに胸に引っかかった。あんなものを見てしまったからだろうか。――治療の際に見えてしまった彼の身体には、明らかに交流戦以前についた怪我の痕がたくさんあった。私が首を突っ込むべきことじゃないのかもしれないが、なんとなく嫌な予感がする。
「……あぁ、今行くよ」
早くと呼ぶ悟を追いかけて携帯をしまう。また後で掛けてみよう。「こうやって人とアドレス交換するのなんて初めて」と言っていた彼の、はにかんだような顔がやけに頭から離れなかった。
------------------
まだ1話しか出てきていない人に随分と暴力的なセックスをさせてしまい、本当に申し訳ないです。
あの倫理観であの感じだと、自分より立場の弱い人に対してはすぐに手を上げそうな印象を受けたのですが……どうなんでしょう。すみませんでした。
直哉さんの年齢は実際どのくらいなんでしょうね。
五条・夏油あたりとタメでも上でも下でも良いようにぼかして書きましたが、本当はその辺もわかった上でしっかり書きたいです。
もっと直哉さんのことがわかったら短編等でしっかり書けたら良いなぁと思います。
本誌を読んでたまらなくなってしまったので、取り急ぎネタメモに投げます。