ネタメモ | ナノ

2020/07/07 Tue

長編主。
本編前の副長助勤時代。

第363訓「アルファベット表記で人類皆ホスト」後、どうしてもスタッフが足りないという高天原のヘルプとして、不承不承1日だけホストとして働くことになった土方。

「タダ酒が食らえる」とノリノリの沖田や万事屋一行と共になんとか業務をこなしていると、「ご指名です」ととある卓に案内される。
するとそこには、なぜか客として現れた主人公の姿が。
「お、お前なんでこんなところに…」
「決まってるだろ」
低い声。怒っているのか?と土方が身構えると、主人公は
「お前をナンバーワンにするためだよ!」
と高らかに宣言した。

「え、真選組の幹部って揃いも揃って暇なの?」
というヘルプの銀時…GINの言葉を尻目に、彼はどんどんシャンパンを追加していく。
「お前これいくらするのかわかってんのか!?」
とホストとしての立場を忘れて焦る土方に、
「わかってるから入れてるんだよ。大丈夫。今日のラストソングの座は絶対おれが十四…いや、TOSHIに贈るから」
とヒートアップする主人公。
「俺ァ歌なんざ歌いたくねえ!大体こんな金どっから出てきた!」
「そりゃあおれの貯金から…」
「せっかく貯めた金こんなことに遣う気か!?」
「こんなこと、って!」

主人公は眉を下げて、土方を振り仰ぐ。その必死な様子に少し気圧される土方。
「十四郎にとってはこんなこと、かも知れないけど…。おれは、お前がナンバーワンじゃないと、いやだ」
膝の上で固く手を握って、拗ねたように言う主人公。
沖田の卓が入れたシャンパンタワーのコールが遠くに聞こえる。

「…わぁったよ。かと言ってお前の貯金食い潰すわけにもいかねえ。今からじゃどんだけ追い上げられるかわからねえが、どっか他の卓について…」
言いかけると、主人公は目を見開いて
「それは駄目だ!!」
と叫んだ。
「あ?」
「おれはお前がナンバーワンにならないと嫌だけど、他の女の金でナンバーワンになるのは…もっと嫌だ…」
「なんだそれ、めんどくせっ!」
「当たり前だろ!ていうかホストなんだから分かるだろそのくらい!」
「いや俺は本業じゃねえから!」
「本業じゃなくても客の卓についた時点でプロフェッショナルを演じるんだよ!」
と騒ぎ出す2人。
ヘルプのGINは「警察ってバカばっかりなのかな」と高級シャンパンをごくごくと味わいもせずに飲み干している。

主人公の努力の甲斐あって見事その日の売り上げナンバーワンに輝いた土方…いや、TOSHI。
閉店後のアフター先はもちろん屯所。まっすぐに帰宅だ。
酔い潰れた土方に肩を貸しながら、パトカーに乗り込む主人公。ついでに銀時がフラフラの沖田もパトカーに放り込む。送り指名兼沖田の回収係に選ばれたのはGINだった。ぐだぐだになった土方をパトカーに押し込む主人公に向かって
「真選組ってそんなに儲かるの?」
と声をかけると、
「まさか。これと言った趣味もないから…本当に貯金です」
とこともなげに返される。
「まじか。じゃあ次は俺指名してよ」
「ホストに転職するんですか?万事屋の方が向いてると思いますけど。…それに残念ながらおれはTOSHI永久指名なんで」
にこりと笑ってパトカーを発進させた主人公に、「あ〜胸焼けするわ」と吐き捨てる銀時だった。

土方は酔い潰れて聞いていないだろうと油断して「永久指名」なんて言った主人公だったが、実はそのとき土方はしっかり起きていて、その言葉を聞いていたとか。
土方はその後数日、「いや、あれは店側が永久指名制度なだけだから…」となぜかソワソワしていたらしい。




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