ohanashi | ナノ

第2回チャット大会(2011.12.10)


当サイトで開催したチャット大会のログです!

万が一お名前が間違っていたり順番が間違っているもの等があった時はお手数ですがお知らせしてくださると嬉しいです。
※ご自身の作品のみお持ち帰り可能・敬称略



【マフラー】
「せっかくだが手編みをしてくれたマフラーも手袋もいらない」そう言えば、みるみるうちに彼女の目には涙がたまる。可愛いなあ、そう思い抱き締めた。「お前がいれば暖かいんだ」(みい)



彼女と別れても彼女を忘れられないのはきっとこのせいだと思う。今日、あの日と同じ場所で俺は彼女からもらったぼろぼろのマフラーを捨てた。(みい)



まだ誰も使ってないマフラーは、ないか。許斐たしけ(悠)



網目もデコボコだし途中で継ぎたした部分だってガタガタ。しかも長すぎてぐるぐる巻きになってしまうブツに、馬鹿みたいに喜ぶアンタ。「俺、来年までこれはずさへん」なんて、ほんと馬鹿。(境)



自分からみてもお世辞にも上手いとはいえない、編み目のあらいマフラーを見て彼からどんな説教がこぼれるかと身構えた。すると硬い表情のまま、ぽつりと漏らした。「このマフラーは二人で巻くには短すぎる」(青田)



中途半端な自分の身長が好きではなかったけれど。冬になれば抱きしめられる度、ほんのりと香が香るあなたのマフラーに丁度顔が埋まる私の身長が、今はとても好き。そうするたび困ったように眉を寄せるあなたの顔が、もっと好き。(荻)



今日、何故か柳が赤のマフラーを一緒に巻こうって言った。私も寒かったから「いいよ」って言ったら、柳は優しく微笑んで「運命の赤い糸のようだ、と言ったら……笑うか?」だって。恥ずかしくて笑えないよ(新月)



クリスマスにも学校で勉強とか悲しすぎる。彼からは部活が休みになったと昨日連絡があった。「待て」校門を出たところで掴まれた右腕。「どうして?」「せっかくのクリスマスだ。お前と過ごしたいから、待っていただけだ」 「ごめんね。寒い中待たせて。それとこれはプレゼント」鞄の中から出した包みを渡す。「開けていいか?」「もちろん」「マフラーか早速使わせてもらう」そう言うと自分のしていたマフラーを私の首にかけ、私からのマフラーを自分にまいた。(吹雪)



朝の通学路。みんなの視線を集めてあなたと並んで歩く。手をつないで、首にはおそろいのマフラー。(まの)



彼女の首にあほみたいにグルグルとマフラーを巻いていく。彼女は少し眉間に皺をよせ真っ赤な顔をして顔を俯かせる。「なあ、」「なに?」「ちゅーしてええ?」そうして返事を聞かず、彼女にキスをした。「ちゅーしたもん勝ちって話や。」(凜)



貴方のそのマフラーはあの子の手編み。私が編んだマフラー、「照れ臭いな」なんて言いながら付けてくれてたのにもう捨てちゃったのかしら。(笹木)



クリスマスプレゼントに先輩から貰えたのは人気ショップのマフラーで、兄貴が貰ってたのは手編みのマフラー。それでも俺はこのマフラーを一生大事にする。(みい)



別れたのは大分前なのになんでまだあるの?なんで違う子が私のマフラー持ってるの?(みい)



あなたの手編みのマフラーがすごく嬉しくて、「ありがとう、暖かいよ」なんて言えば、あなたが花のように笑うから二人、こころもじんわりあったまる、冬の日(雨宮)



「これをやる」そう言って蓮二は私に紙袋を渡した
「少々暇でな作ってみた」苦笑いしながら言う蓮二
私の手には、2人で巻くには十分過ぎるマフラーがあった
「ねぇ、蓮二」
彼女が次に言う言葉は分かってる
「来年は」
俺を喜ばせる言葉だと
「私がマフラー作りたい」
だから、俺は
「俺はお前のマフラーを作ろう、お揃いのマフラーを」
そう言うと彼女は、とっても暖かい笑顔を見せた(チカ)



いきなり触れて、離れた感触にあわててマフラーで唇を隠した。「頬が赤いのは隠せていないぞ」とフッと笑った意地悪な柳くんに、バカ、と返しながら頬まで顔を埋めるしかないのだ。(荻)



蓮二と同じ学校の女の子たちは皆、彼と同じマフラーをしている。仕方の無い事なのに私の中で沸くこのどうしようもない感情を見透かされて「お前の考えている事なんて分かっている。不安になる必要などない」なんて言われるなんて、彼に隠し事なんて一生出来ないかも。(村山)



「クリスマスプレゼントですか?そうですね、マフラーが欲しいです。」そう言った私の彼は風紀委員で、学校には指定のマフラーがあるのに何で?と首を傾げたら「私は貴女の物です、と言う目印にしますから。」と、とても嬉しそうに笑っていた。(松平)



手編みじゃあ重いって思われちゃうかな、なんて思ったからお店で悩みに悩んで選んだマフラー。気に入ってくれるかな、「ありがとう。…しかし手編みではないのか。来年、楽しみにしているぞ」そう言いながらも彼の耳が赤くなっていたのは、寒さのせいだけじゃないはず。(のん)



悴んだ蓮二の指先が僅かに弛んだ私のマフラーを正すようにそっと解き、改めて巻き直す。間近に見る彼の顔は冬の冷気の所為かいつもより血色が良く、睫毛の先まで凍てつくような冷たさと相反して実に美しい。
ぼんやりと見惚れるように、穴が開くほど蓮二の美貌を眺めていると、マフラーの両端ごと身体が浮く感覚。触れた冷たい唇の感触とは裏腹に、生温い舌の温度。
その意味を理解した瞬間、一気に顔を染めた私を嘲るように蓮二が肉薄な唇を不敵に歪ませる。「あまり、物欲しそうな瞳をするものじゃないぞ?」(佐東)



【指先】
最後の朝にこうしてしたこともない洗い物をしているのも、今までの思い出を忘れない為にこのなにも知らない指先に記憶させたいから。
あなたを知りすぎているこの目や脳髄には荷が重いことでしょう?(みい)



唇をなぞる乾いた指先をぱくりと口に含んでみると、随分子供っぽいことをするのだなと呆れた様な声を出した。それでも、私から引き出した濡れた指先をぺろりと舐めながら、「いいだろう、これから、大人にしてやる」と蓮二はにやりと笑った。(荻)



寒い図書室。私は受験を間近に控え、必死に勉強をしていた。正直、成績は悪くないと思うけど……大学の偏差値が高い。
でも、頑張らないとあの人と同じ所に行けない。……あっ!間違えた。消しゴム消しゴム……そのとき、こつんと温かい感触。「え?」横にはあの人がいた。
「蓮二の指、私好き」そう言うと彼は「指だけか?」と聞いた。「今は全部好きだけど、最初はペンを持つ指先に惚れたの」指先から始まる恋もあるって話(新月)



黒と白の鍵盤の上、綺麗な指が踊る踊る。
透き通る優しい君の声も、指から零れる音の粒も、全部混ざれ混ざれ
混ざってひとつになってしまえばよいのに。(雨宮)



柳は私の指がお気に入りらしい。気に入っていると直接言われたことはないが、こうして執拗に舐められていてはそう受けとるしかない。(みい)



私が逃げないように手を捕まえている柳の手が大好きだ。(みい)



外で蓮二を待っていたため指先が冷えた
そんな冷えた私の指先を蓮二は優しく包み
「待たせて、すまない」
そう言い終えた後
指先にキスをした(チカ)



ファイルから抜き取った際、指先を切ってしまった。ふっくらとした皮膚の裂け目からとろり、と果汁のように赤がたれた。それに気づいた彼はそっとくちびるを近づけ、あてがった。その唇からみずみずしい舌が覗き、舐められる。
ざらりとした感触がした。彼の口が弧をえがき、指先を絡めとられたまま耳元で囁かれた。「もっと他に舐めてほしいところはあるか」こくり、と自分の喉が鳴った。(青田)



授業中に後で職員室に持ってくるように言われたクラス全員分のノート。重くてそのせいで足下がよく見えない。「えっ」気付けば階段を数段踏み外して、床に散らばったノート。「大丈夫か?」
手を差し出してくれたのは密かに思い焦がれている人。相手の手を握り、体を起こす。指先から伝わった熱に顔が赤くなりそうで、素早くノートを集めると足早に立ち去ってしまった。(吹雪)



貴方の文字を指先で辿れば、昨日はなかった事に出来るかしら?自分の夢に忠実な貴方と付き合うリスクくらいは分かっていた。だからせめて文字だけは独占したいと思うのは私の我が儘だったみたいね。
昨日、私を想って書いてくれた四字熟語の上を、濡れた指先でさよならと書き直した。(未散)



彼女の指先はまるで魔法だ。屈託無く俺に微笑みながら眉間を押されるだけで全ての苦悩から解放されるのだから。この指先と彼女自身を独占したいのは男の性か己の本能か。(未散)



「舐めていろ」そう言われて言う通りに舐める私は犬みたいだ。時々吸ったり甘噛みをしてみれば、ふっと笑い私の髪の毛に指を通す。
その手は彼女のものだから足の指は私のものよ。ああ、そうだな、そんな彼の指先を食してしまいたい。(みい)



隣で歩く蓮二の長い白い指先が、私の手のひらを漂う。それは恋人繋ぎにつながって。「蓮二の手って冷たい」「それを知るのはお前だけだ」さらりと、そんなことを言うから、ずるい。(汐田)



寒さ故に手袋ををしていてもあの子とあなたが絡めた指先を見ると私の指先は冷え続ける(みい)



その何気ない行動に息を飲んだ。彼なら絶対に取らない行動だ。取り分けたケーキのクリームが親指に移った。まだ唇に添えられた指先の彼と目が合う。不意に吊り上げた口の端にケーキよりも私が先にいただかれる事が決定した様だ。(未散)



寒さ深まる夕方、彼女の手をそっと繋いで茜の街を歩いていた。
いつも弦を弾き凛とした音を奏でる彼女の指、傷だらけの努力の手
冷たい手にすこし力を込めれば、またあの心地よい音色が聞こえてくる気がした。(雨宮)



好きじゃないくせに………。こんな関係になったのはいつからだったのか、きっかけが何だったのか、もう思い出せない。初めはこれでいいって思ってた。でも―――熱い指先とは裏腹に、冷えていく心。
機械的に反応してしまうようになった身体を浅ましく思いながらも、求めているのはいつもただ1つ。絡めた指先が頬越しに視界に入り、また胸が痛くなる。
「……なぜ、泣いている」―――だって……。続きの言葉は唇で塞がれ、熱くなる指先から伝わるものがわからない。
「どうしたらお前は俺のものになる?」―――どうしたらわたしのものになってくれる?すれ違い続けていた二人。馬鹿みたい、今頃になって気づくなんて。(らら)



突然右手の指をべろりと舐められたと思えば顔をしかめて「ブンちゃん甘い…。」と言われた。彼女は甘いものが苦手でいつも俺が食ってるお菓子を気分悪そうに眺めていた。仕返しとばかりに彼女の右手の指先を口に含む。うん。「お前も十分甘いぜ?」(松平)



あがきれで傷だらけの私の指はとても醜くて。 きっと、あなたとつながっているあの子の手はなめらかなままなのでしょう。 じく、じく。引き攣れて痛むのはこの指なのか、それとも。  ああ、だから、冬なんて嫌いよ。(まの)



度数の高いアルコールに浸した2本の指で、私の唇を焼くあなた。なんだか悔しい、ただそれだけで私はあなたにこんなにも酔わされる。あんまり口惜しいから指先を舌でぬぐう。私の酔いがあなたに伝染して、あなたもクラリとここまで落ちてきたらいい。(境)



好きな女が自分の指先の動き一つでこんな表情を曝け出すのは見ていて本当に面白い。「フッ、仕方の無い奴だな…ほら、これでどうだ?」こうやってまた一つ、彼女に関するデータが増えていく。(村山)



突然温もりに包まれた。「随分と冷えているな…」そう言う彼の手はどうしてだろう、こんなにも温かい。その温かさが心地よく、動けずにいると、指先に柔らかいものが触れた。彼の吐息を、唇を、指先に感じる。じわじわと熱が広がっていくのを感じていた。(のん)



この指先はいつもいじわるだ。今みたいにデコピンしたり、頬をつねったり、耳をちぎったり。小さい頃からこっそり手を繋ごうとしてもしてもすぐに指が離れて行ってしまう。
今日みたいな寒い日くらい手を繋いで欲しいのに。手袋を貸してくれても嬉しくない。その指先に私の指を絡ませたい想いに早く気付いてよ。(未散)



喉奥を犯す蓮二の指先は思っていたよりも乾燥していて、爪先の柔らかな部位と反してざらついた感触を伴った。指先のささくれだった部位にまで唾液を染み渡すよう指先深くまで咥え込み、丁寧に舐め上げれば満悦気味に開かれた眦と維持悪く上がった口角に欲望が煽られる。
ちゅ…と音を立てて手の甲にも舌を這わせれば、舌も共に咥内に押し込まれる。「ほら、しっかり咥えろ………口だけにとどまらず、お前の中をいずれ犯してしまう指なんだから…な?」(佐東)



その指先に一目惚れ。彼に見合う女になるのにちょっと時間が掛かった。でもロマンスグレイも好きよ?貴方にエスコートされてここに来るのが夢だったの。初めて見た日から変わらない綺麗な指先が私の手に優しく添えられるの。ねぇ、結婚式ってこんな感じかしら?(未散)



【クリスマス】
12月24日ぁ?そんなの模試に決まってンじゃん。いやウチ外試だし?は?聞いてない?ゆったって!!だからキャンドルも十字架も性なる夜も関係なっしん!!
は?なんで内進にしなかったって?…つかアンタのその過保護がウザイからに決まってンじゃん!!察しろ!!じゃ、次の講義始まるから切るし……、つか今さら遅ぇよ。ウチも好きだよ。だけど好きなだけじゃダメなんだって気付いたから。(未散)



鼻歌混じりにツリーの飾りつけをしていると、背後からいきなり手を捕らえられる。何事かと振り向けば、「靴下に入っていてほしいのは、」俺だと言ってみろ、と吐息で責められて、私は飾りを落としてしまった。(叶月)



眩しい世の中であなたを見つけられたのはあなたが私を見つけようとしてくれたから。今あなたを見つけられないのは、あなたが私を見つけようとしないから。眩しくて見えない…あなたも、あのときの私たちも(みい)



「恋人はサンタクロースだね」デート中、彼女がそんなことを言った。最初は分からなかったが、すぐBGMのことだと気付く。店内はすっかりクリスマスモードだ。
「見て見て!蓮二!ツリーあるよ」「オーナメントの代わりに客が願いを書いた紙をつるしているな」「私も書くー!!」彼女は店員に駆け寄り、紙を2枚貰って1枚俺に渡した。
「何を書いたんだ?成績が上がるように、か?」「んーん、違う。ハッピーバースデー神様って書いた」彼女はいつも俺の予想の上を行くのだ。「蓮二は?」「そうだな……お前の未来を貰えるように書いておこう。叶えてくれるだろう?」(新月)



家の前で待ち構えていた幼馴染みは俺の顔を見るなり笑顔でクラッカーを鳴らした。人に向ける物では無いと言う前に背中に担いだ白い袋から赤と緑の縞の紙袋を押し付けた。
中身は手編みのセーターだと知っている。残暑の折りにサイズは測られ、プレゼントはセーターだと宣言されていた。目が飛んだとは叫び、何度も解いては編み直した後ろ姿を見た。俺が彼女にプレゼントするのはこのセーターが擦り切れても側にいてやる事だ。(未散)



クリスマスの朝…何となく枕元に置いておいた靴下を見ると、何とそこには小さい手のりサイズの我が愛しの君が!
「ああお早う、プレゼントはお☆れ☆だぞ!」(雨宮)



カップルばかりの場所は好きではない。どうせなら二人きりで過ごす方がいい。周りの友人には理解してもらえないけど。玄関の扉を開けるとポインセチアと大好きな彼。
「おかえり」「だだいま」そう言って荷物を下ろし彼に抱きついた。私たちを包むのはキャンドルの灯りのみ。(吹雪)



「お疲れ様。」一仕事を終えた彼に労いの言葉を掛ける。今年も美しい歌声を教会に響かせていた。あまりに綺麗で、とても儚く何処か行ってしまうんではないかと感じた。「ありがとうございます。」掌に感じた温かさは私を現実に引き戻した。(みる)



今日はクリスマスだから直帰!なんて計らいは社畜にはないのです。恨みがましく途中でとまったワードの文書を睨みつける、PM22時。
きっと今頃他のOLさん方は彼氏やらパーティやらに忙しいんだろうな、そう思ったらいよいよパソコンをぶったたきたくなってきた。そんな事はできないけど
表情筋が凝り固まった私の鼻を、甘いココアの匂いがくすぐる。「お疲れ」たったその一言とコーヒーショップのカップが机に置かれて、私はハッと顔をあげた。
「部長・・・ありがとうございます」「気にするな」そうだった、私だけじゃないんだ。柳部長も、残業だった。柳部長、いいのかな。恋人とか、いないんだろうか。
さすがにそれをきくのは失礼なのはわかってるから、私はその甘いココアを無言で一口流し込む。「その文書ができあがったら」「あ、はい」柳部長はパソコンの画面を見つめながら口を開いた。
「きいて欲しい事がある」それきり、部長は口を開かなくなった。早く終わらせろってことか。「作業しながらじゃ駄目な事ですか?」「駄目だ。大事な事だからな」なんだろう、そわりと心が浮き足だつ。
ワード文書はココアの力を借りて物凄い速さで出来あがった。「できましたー」「そうか、お疲れ様」そういって部長はすっくと席をたち、私の隣へやってきた。・・・今気づいた、部長のパソコン、灯りがついてない。電源が、はいってない。
「どうして・・・」「お前が終わるのを待っていた」どうして、そんな、「聖夜の奇跡というやつを、体験してみたかったんだ」電源ボタンを押して、パソコンはブウンと音をたてた。
常灯だけの薄暗い室内で、柳部長の影だけが縁取られたように夜のネオンを背負っていた。「きいてくれ、俺はお前が」 (境)



だいっきらい。私よりも仕事を優先させる蓮二なんてだいっきらい。朝散々言われた。そこまで言われたら流石に傷つくのだがまあ、これを渡したときの涙に免じて許してやろう。さて、どうやってこの指輪を渡そうか。(みい)



聖夜は奇跡が起きるものらしい。真っ白な世界で独り、いつものようにぽんと頭を叩いてくれる温度を待ちわびる。「…可愛らしい雪だるまを待たせてしまったようだな」たとえ雪だるまになったとしても、貴方の隣にいれば溶けてしまえるのも、奇跡かな。(叶月)



さて?何故私達は教会にいるのでしょうか?あふれ物同士クリスマスを一緒に過ごさない?なんて言ったのが間違いだった。クリスマスは教会に行かねばならぬ日とか指折られるくらい強く握られてここへやって来た訳だ。
ミサだか聖歌隊だかの最中に俄クリスチャンな振りして頭を軽く下げたまま隣の奴を見たら、救世主降誕の意味が分かった。帰りにアンタが恋の救世主だよって言ったら、我らが副部長はどんな顔をするか楽しみで仕方がない。(未散)



きらめくネオンの美しい、クリスマスの夜
カップルの賑わうその街に、二人は肩を並べて立っていた
「リア充爆破しろ」
背の高い男はバズーカを、それより少し小さめの女は白い袋に沢山のダイナマイトを(雨宮)



「せーいち!」私は彼氏に抱き付き、参謀こと柳に教えてもらった【精市をギャフンと言わせる1言】を言った。「精市だぁいすき!今日は私を好きにしていいよ」
え?精市、何でそんなに笑うの?…蓮二から最高のプレゼントだ、って?まさか……「あんたら、グルかああああ!」私の叫びは空しく木霊した。教訓 参謀は信じるな。(新月)



私は二番目ですらない。従ってクリスマス周辺は彼に会えない。それでも待っているのはこの冷えた体に熱を与えられるのは彼しかいないからである。
たとえ他の女の熱と混じりあったとしても私は彼の熱をさがしだせる自信があった。あなたが私だけを愛してくれる時のみだけど(みい)



教会から聴こえてくる賛美歌や、煌びやかな光から逃れるように街を後にして元町公園を抜けると、びゅう、と潮風が頬を抜ける。「……メリークリスマス」鞄から鍵を取り出していると、懐かしい声が鼓膜を揺らした。その声に手が震えて鍵が落ちる。
振り返ると黒いトレンチコートに身を包んだ彼が、両手いっぱいの紙袋と花束を抱えて立っていた。仕事で海外から帰って来れないって言ってたのに―――。
「さあ、一緒に祝おうか」長い両腕に抱きしめられた途端、抑えていた感情が堰を切ったように溢れ出す。聖夜のプレゼントは愛しい貴方。(らら)



蓮二が言った
「ベットの横に靴下さげていれば何か入ってるかもな」と
馬鹿らしいと思ったが蓮二が言ったからさげておくことにした
明日、目が覚めて靴下の中に
【メリークリスマス】と書いてあるカードと一緒に指輪が入っているなど
寝てしまった私は知らない(チカ)



「クリスマスも冬休みも爆発すればいいね。」パソコンに向かい写真編集をしていた先輩が突然呟いた。普段から穏やかな先輩から『爆発』なんて単語を聞くとは思わなかった。
委員会の仕事を早く終わらせてテニスコートに向かいたかったのだけれど先輩の言葉が気になり手を止めた。「どうしてですか?」とても単純な疑問だった。家族や友達と笑いあって過ごすのだろうな、と思っていたからだ。
「んー…」と少し考える様子を見せてパソコンに向けられていた目が俺の方へ向く、視線が交わり、先輩がいつもの穏やかな笑顔で笑う。「冬休みになったら、新学期まで会えないからね。」先輩はいつも余裕があって卑怯だ、顔が熱い。
「クリスマスが爆発したら困ります。」赤くなっているであろう顔を見られたくなくて少し俯いて言葉を続ける。「先輩のクリスマスの予定は俺が貰いますから。」カタンと音がなり視線を戻すと、握っていたマウスを落とし顔を真っ赤にした先輩が俺を見ていた。
「日吉君、ずるいなぁ。」赤い顔のまま、笑う。俺はこの笑顔がすごく好きだ。「先輩もいつもずるいんですよ。」俺は上手く笑えただろうか。「はい。」と渡された小さなメモ用紙。「これは誕生日プレゼント。クリスマスはまた別に。」
メモ用紙には電話番号とメールアドレス。「連絡、待って…えっ。」思わず抱きしめた。「先輩、メリークリスマス。」腕の中から気が早いよ、と小さな声が聞こえた。(松平)



もう、止めろと言うやつが馬鹿だと思う程に俺は回りが見えていなかった。所詮は神の子ですらなく、好きなやつすらも手に入れられないそこらへんの人間と同じ。
何回電話を掛けても何回会いに行っても君は俺を見てくれず、俺を気持ち悪いと蔑んだ。
わかってないだけなんだよ君と俺は運命の赤い糸で結ばれていることに。だから今夜、聖なる夜に神の前で禁忌を犯す。(みい)



ねえ、聞こえてくるでしょ?鈴の音がすぐそこに・・・。そんなの私には聞こえて来ないもん、だって蓮二がずっと私の耳を弄んでいるから。サンタさんだって来ないもん、だって蓮二が寝かせてくれないから。
でも、ずっと傍にいてやる、なんて言われちゃ、もうサンタさんなんて来なくていい。(汐田)



「本物のサンタさん、一度も来てくれたことないんだよね。」「不法侵入になるな。」「…もう。」夢のない話をする蓮二に頬を膨らませて拗ねる。「蓮二は何か欲しいものないの?」あまり物欲のなさそうな彼が欲しいものなんて、想像がつかない。
「時間、だな。」「は?」「もう貰っている…例えサンタクロースであろうと、恋人達の時間を邪魔するのはいけないな。」今夜は素敵な夜にしようか?(潮)



サンタがいないと言えば彼女は泣くのだろう。だがそれも構わない。俺以外の男にねだり事とは随分な態度だと思うからだ。
彼女の枕元におかれたサンタへの手紙を握り潰して、小箱をそっと置き、額に口付ける。「俺にだけで良いだろう?」お前の、その、睦言に値するねだり事を知るのは。(叶月)



サンタクロースがいるというなら……いや、神がいるのなら、俺は地に這いつくばって乞うだろう。立海の参謀がなんてザマだと蔑まれてでも願うだろう。姉さんを、俺に下さいと……(新月)



佐伯がパンク風味の歌を無駄に上手く歌っている。一同わあっと盛り上がる。クラスのクリスマス会で、定番のカラオケにいる。暑い。いくら大部屋でもクラスの大半が入るとぎゅうぎゅうだ。「ちょっと空気吸ってくる」誰も聞いてないと思うけれど一応言って外に出た。
廊下で深呼吸する。がちゃ。振り向くと黒羽がいた。トイレかな。道を空けるが違ったようで黒羽は動かない。その手にあるかわいらしいピンクの袋に気づく。さっきのプレゼント交換のやつか。「うわ、はずれたね」絶対それ女の子用だよ。いうと、黒羽は困ったように笑った
何か変なことをいったかと黙った私に黒羽がその袋を差し出した。え。「これは貰いもんじゃなくて」お前にあげるプレゼントなんだけど。え。固まった私に、黒羽はまた困ったように笑った。「悪いけど、一緒に抜けてくれるか?」(フラニー)



余りにも刺激的な姿に食べ物を粗末にするなと声を荒立てると矢張り彼女は悄気てしまった。「だって、ケーキならこれだって丸井君が…」彼女の言葉に胸のささくれが更に捲れたのは他の男の名が出たからだ。
自分は洋菓子、特にクリームを好まないと告げる彼女は面白い程慌てふためく。直ぐにでも肌に乗せた生クリームを落とすと翻した素肌の背を一舐めして「味見くらいはさせろ」と彼女の好きな声色で囁けば、肌の上で溶け出す白い泡が何よりの馳走になる。(未散)



ぎし、ぎし、とベッドが軋みを上げ、月明かりが神父様の滑らかな肌を照らしている。宝石のように光る汗の粒が頬にあたってはじけると、神父様は指先でそれを拭ってくれた。
ベッド脇に脱ぎ捨てられたキャソックが目に入ると、背徳感でいっぱいになってしまう。―――けれど。
『神父…さま』「……名前で呼んでくれないか?」掌に唇をつけ、何かを懇願するように瞳を閉じた神父様。聖なる夜に願い事をしていいですか、神様。この夜だけは―――、私達の時間を止めて。(らら)



冬の外気に晒された、スルリと頬を撫で愛しむように触れる精市の指先。滑らかな肌が華やかなイルミネーションに照らされ、女性も羨む長い指先で頬に掛かる私の髪の毛を払う。
触れ合う肌膚はキメ細やかな光沢を放ち、爪の先から手のひらまで痛む感触すらない。夜半の間接照明とはまた違う色艶が滲み出る眦を細め、シュルリ、と背後で何かを解く穏やかな音。
小首を傾げた彼女の腰を抱き寄せると、顔の正面、小さな彼女の左手の薬指に幸村が純銀の輝きを放つ指輪をゆったりと落とす。
「良かった、ピッタリだね?…フフ、さすが蓮二だ」「…いい加減、俺達も良い歳だ。結婚しても問題ないよね?」「此れから、俺はお前にたくさん苦労を掛けると思うけれど、」「誰よりも大切に、そして幸せにしてあげる」「だからさ、」「俺と結婚してくれませんか」(佐東)



あなたが好きだといってくれた、わたしがよく口ずさんでいたあの歌のオルゴール
クリスマスプレゼントにしたらあなたは喜んでくれるかな。(雨宮)



未だにクリスマスにサンタクロースが現れるなど信じているのは赤也位だと思っていたが、とんだ誤算だった。
「…本気で言っているのか?」
「何で?ホントに居るよ!私見たもん」
「…夢を壊す様で申し訳ないが、それは恐らくお前の親だろう」
「違うよ!寝てたら赤い服着た知らないおじさんが入って来た事有るもん!」
「……お前の家のセキュリティーはどうなっている……」(明治)



「今日は折角のクリスマスなのに…」練習が長引いてしまったから会えないという彼氏からの突然の電話にがっかりする。楽しみすぎて、20分も早く来てしまったのに…頬を撫でる冷たい風と、すれ違うカップルになんとも虚しい気持ちになる。
「蓮二なんて知らない」「………」黙ってしまった彼氏に嫌気がさし、私は冷たくなって動かしづらくなった指を電源ボタンに添える。「もういいよ、じゃあ「俺は…クリスマスでなくてもいつもお前に会いたいと心から思っているぞ、お前は違うのか?」
電話口じゃなくて後ろから直接聞こえたのと同時に首にマフラーを巻かれた。振り返ると今正に電話最中の相手である蓮二が立っていて、「寒かっただろう?ほら、手を貸せ」と続けて言った。
何でいるの?私だっていつも蓮二に会いたいよ!と、言いたいのにそれを言わせないとばかりに蓮二は私の手を勝手に掴んでコートの左ポケットに突っ込む。
「暖かいだろう?寒い思いをしているだろうと思ってホッカイロを入れておいた。マフラーは元々お前のために買ったものだ、そのまま巻いておいてくれ」
何故か、蓮二の気遣いにあんなに怒っていた私の気持ちが一気に沈下してしまった。「…毎日使うよ」「ん?」「だって、蓮二がくれたんだもん」「…そうか、」遅くなってすまなかったなと言って頬をするりと撫でてくれた蓮二の右手はとても冷たかった。(村山)



ご参加&美味しい短文の数々を投下頂き、ありがとうございました!


20111211 - 前サイトにて掲載