*このお話は裏ページから移動してきたものです。使い回しでスミマセン。「どこまで行かれますか?」
「千葉の館山まで」
タクシーの運転手の問いかけにそう答える彼の声を聞いて、あたしは青ざめた。ここは都内だ。館山まではかなりの距離がある。
「あ、あの…っ!」
「今から行けば、夕日が見れるよ」
「で、でも…っ!」
「あぁ、タクシー代?気にしなくていいよ。楽しみだね」
そう言って、腰を抱き寄せられ、髪に優しくキスされる。運転手さんから見たら、年下の彼女を甘やかす優しい男性に見えているのかもしれない。
だけど、この人には特殊な性癖がある。
「館山まではちょっと遠いからね。寄り掛かって少し休むといいよ」
そう言って、彼は抱き寄せたあたしの髪を撫でる。その瞬間、あたしのナカの玩具が振動を始めた。
「ん…っ!」
慌てて彼のシャツを掴んでしがみつく。
懇願するように見上げると、満足そうな笑顔が返ってきた。
「ちなみに館山は行ったことある?」
「な…、ないです」
何事もないようなフリで必死で答える。ナカを奥まで満たした太いソレは、容赦なくあたしを攻め立てているが、タクシーの中だと振動音は微塵も聞こえない。
「館山には別荘があってね。なかなか楽しめると思うよ」
そう優しく微笑む表情から、その言葉は違う意味を含んだ "楽しめる" に聞こえた。
「あ、ちょっとごめんね」
そう言うと、彼はポケットから出したスマホに出る。仕事の電話のようで、低く冷静で落ち着いた声で答えている。
電話に集中する彼に気付かれないように、今のうちに少しでもナカの玩具をマシな位置にずらそうと腰の位置を変える。
片脚に体重を乗せて脚の力を抜くと、奥に押し付けられていたソレの刺激が少し緩くなった。
「ハァ…、ふ…」
大きく息を吸って、頭を冷やす。これなら少しマシだ。
そう思った瞬間、腰に回されていた彼の手が浮かせた方の脚の下に入り込み、長い指が玩具を下から押し込んだ。
「ん……ッ!…っ、ふ…ッ、…っ!」
慌てて声を我慢するが、指先が押し込んだり緩めたりを繰り返し、彼に最奥を優しく突かれているのに似た切なさがあたしを襲う。
脚を擦り寄せ、キュウっと内壁が玩具を締め付けて、躰が小さく痙攣を始めたところで、彼は電話を切るとともに、焦らすようにそこから指を離した。
「な、なん…で…」
「ふふ…、駄目だよ。何処だと思ってんの」
そう言って、彼は優しく微笑む。
館山までの道のりはまだ始まったばかりだ…
End
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