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「蜜柑ちゃん、そこ65°じゃなくて75°だよ。引き算間違えてる」

「う"…、ホントだ」

期末試験を明日に控えた昼休み、数学の勉強をしていたあたしは、またもや及川くんにちょっかいを出されていた。

「俺に負けるのは別にいいけど、鈴木くんにまで負けたら許さないからね、蜜柑ちゃん」

「…うん」

むしろ及川くんに勝ちたいと毎回思っている。それはゲームをしてない今回も変わらない。

「鈴木くんは飄々と読書してるなぁ…」

廊下側を眺めながら及川くんが呟く。

「前日に必死に勉強しても、結果は変わらないと思うんだけど、蜜柑ちゃん。日々あんなに勉強してるくせに、今さら何が不安なの」

目の前でそう笑う及川くん。

確かにそうなんだけど、あたしは昔から、テストの直前まで何かしていないと不安で仕方ないのだった。


2学期の期末テストは全13科目。

そのうち、選択科目を除く計7科目の上位10名の順位が学年掲示板に貼り出される。

試験期間は4日間。

その最終日。
及川くんは、学校に来なかった。
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