続 girls トーーク!! 

「なんで?」



「なんか、ミニスカートとブーツの間は絶対領域とかなんとかで、素足じゃなきゃダメなんだって。」



「ちょ…それって…。」



「えぇ…。ただの趣味よね。」



「何でタイツがいけないのかなぁ?まぁ、室内は暖かいからニーハイ履けばいいか…。」



「いやいやいや!論点はそこじゃないでしょ!」



「ダメよ、なずな。こんな純粋な人種滅多にお目にかかれないわ。絶滅危惧種は保護よ。保護!だから、絶対領域の意味は教えちゃダメ。」



「アキちゃん…自分が楽みたいだけでしょ?」



「ん?絶対…?」



「何でもないわ。桜庭さんの癖(へき)…じゃなかった。話はわかったから、次は宝来さんの話を聞かせてくれない?」



「あ、そうだね。宝来さんならここでもパーティーの主催をする事が多いだろうし、年上だから色々なパーティーに参加した経験がありそうだし!」



「うん。四つ葉荘でやるパーティーはほとんど和人さんが声を掛けてくれるかな。季節のイベント事とか、みんなの誕生日とか。」



「段取りも面倒見も良さそうだもんねー。さっすが管理人さんって感じ。」



「そうなの!料理はほとんど手作りだし、料理に合うお酒とかもみんなの好みを考えて用意してくれるんだよ!」



「クオリティ高いわねぇ…。」



「ほんと。私も前に夕飯をご馳走になった事があるけど、お店に来たみたいだったもん。そう!しかも、帰りに手作りのパウンドケーキをお土産に貰ったんだ!それもすっごく美味しかった!」



「最早おもてなし芸人ね。」



「え?おもてなし?」



「そう。品川庄司の品川やキャイ〜ン天野、ペナルティヒデに代表される、おもてなしが大好きで完璧な芸人さんよ!」



「や…和人さんは芸人じゃないんだけど…。」



「あれでしょ?料理だけじゃなくて食器やクロスにもこだわりがあったり、みんなの食事のペースに合わせて一番美味しいタイミングで料理を出すから、大抵食事の席には居なくて、大半をキッチンで過ごすっていう…。」




「あ…言われてみればそうかも…。」



「ほら、おもてなし芸人じゃない!」




「いや、だから芸人じゃ…」



「まぁ、まぁ!いいじゃん沙耶!アキちゃんはアメトーーク!が大好きなんだよ。さ、次!次は清田さん!」




「え?何だかよく分からないけどまぁいいか。えっと、清田さんね?」




「清田さんってパーティーに率先して参加するイメージは無いわね。」




「うん。どっちかっていうと、そういう派手な事は避けてそう。」




「うーん。まぁ、確かに誘うと必ず『めんどくせぇ』とか何とか、一言文句は言うかも。でも、結局は参加してる気がする。」



「素直じゃないわね。」



「『そんなに言うなら出てやっても良いけどよ』的なスタンス?でもさ、そういう人に限って誘われないとすっごく落ち込んだりするんだよねー。」



「意外とメンタルは弱いっていう…(笑)」




「アキちゃん…楽しそう…。」




「でも、参加するって決めたら結構本気だよ?清田さんは。」




「本気?」



「そう!この間のハロウィンパーティーの時なんて、何時間もかけて仮装してきたんだよ!」




「それは凄いわね。何の仮装だったの?」




「そんなに時間かかったって事は特殊メイクとかしたんじゃない?」




「なんと、孫悟空!」




「「!?」」




「衣装は勿論、『孫』マークが付いたオレンジ色ので、ちゃんと如意棒も持ってたんだから!」



「…………」



「…………」




「あれ?どうしたの?二人とも…。あ、もしかしてドラゴンボール知らない?」



「いや…知ってるよ。有名なアニメだから。」



「いいのよ。清田さんがアニメ好きって所はスルーするわ。でも、あの簡単な衣装着るのに何時間もかかったとは思えないし、一体何がそんなに本気だったのかしら?」




「あぁ、そこね!確かに衣装は着ればいいだけなんだけど、時間がかかったのは髪!」



「あぁ!!もしかして…!?」




「そう!あの3Dだと表現が難しい悟空の髪型を見事に再現したの!」



「ちょ…嘘でしょ…」



「ぶっは!!」
(※爆笑)



「それが完璧に再現出来てて、凄かったの!やっぱり建築科だけあって造形にはこだわりがあるんだなぁ…って感心しちゃった。」



「髪型も建物扱いされてるし…。」



「………………」
(※笑いすぎて声も出ない)



「やだ…アキちゃん笑いすぎだよ。さ、清田さんの話はもういいや。後は栗巻さんと蔵元君ね。」



「もういいやって!………あははっ!………」
(※アキオ抱腹絶倒)




「ア、アキちゃん…?」




「いいの、いいの!アキちゃんは今箸が転がっても面白いお年頃なんだから!」




「あぁ…そう…?…えっと、栗巻さんと翔ちゃんだっけ?」



「うん。でも、その2人ってなんとなく想像つくんだよね…。」




「そう?栗巻さんはパーティーっていうと必ず参加するよ!まぁ、準備の時は寝てるか、起きてても和人さんのお料理の手伝いって言いながら味見ばっかりしてるけど。」




「ほら、イメージ通りじゃない。大体、栗巻さんは美味しいもの目当てって感じだからパーティーの内容とか趣旨より食事のメニューで出欠を決めそうだよね。」




「まぁ…そう…かも?あ!でもでも、翔ちゃんはちゃんとパーティーを盛り上げるために参加してるよ!」




「はいはい。着ぐるみでしょ?」




「ぐ…なんで分かったの?」




「大体わかるって!ハロウィンはカボチャで、クリスマスはトナカイでしょ?」




「うっ…その通りです…。」




「…………」
(※アキオ更に爆笑で声も出ない)




「はぁ…。四つ葉荘の皆さんってやっぱり個性的過ぎてあんまり参考にならないかも。」




「…そうだよね。なんか…ごめんね?」




「やだ、謝らないでよ。こんな楽しい人達の話が聞けるだけでも貴重なんだから!ま、友達とのクリスマスパーティーはまた後で考えるからいいよ。それより、お腹すかない?」




「うん!そういえば、和人さんが3人で食べてって、煮込みハンバーグとサラダ作ってくれたの!しかも、食後のデザートはアイスクリームなんだよ!」




「きゃー!ホントに?嬉しい!」




「ちょ…マジでおもてなし芸人…(爆)」








かくして四つ葉荘での夜は更けてゆき、楽しいガールズトークも尽きることなく夜更けまで続きましたとさ。











おしまい。











あとがきあります(^_^;)
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