(サカズキ/海賊)
※ネタバレ注意



センゴク前元帥が職を下り、おれは青雉―――クザンとその座を争うことになった。
10日間にも及ぶ死闘…大将同士の戦いというならば、短かったのかもしれない。
そう思う反面、10日間もあいつと戦っていたのかと思うと、気が遠くなるような過去であった。

あいつと志が違うということは、オハラのときよりも前から薄々気が付いていた。
お前はやりすぎだと、いつもおれを責め立てるのはあいつだった。
その度におれは疑問に思い、何が不満なのだと訪ねる。
しかしそれも虚しく、あいつはそれがわからないのなら話しても無駄だと嘆くばかり。


あいつとおれで、何が違うというのだろう。


海賊は絶対的に何があろうと悪で、海軍こそが正義ではないか。
力無き人間を守るのが我々海軍の仕事ではないか。
罪無き人間を理不尽にも痛めつけ苦しめ殺す海賊など、そして海軍に歯向かう人間など、排除するのが正しいはずなのに。

あんなにもボロボロになって、死ぬ覚悟までして。
どうしれおれと相容れない?
能力云々ではない何かが、あいつとおれとで異なるのだろう。
弱虫はいらない。情弱はいらない。正しく無い兵士も、正義には必要ない。
情けは無用。死人に口なし。
あいつはおれの中では確実に絶対的に正しく無い海軍大将だった。

「……………………」

センゴク前元帥が座っていた椅子に座り、開かない扉を見つめる。
おれに残されたのはこの海軍と、正義の信念。
青雉であったあいつと勝負をしても、おれの中にはなんの変化も現れなかった。

後には何も残らない

(―――正義の名の下に)
(この世界を、変えてみせる)


___
衝撃の展開にこれからどうなるのだろうとワクワク。サカズキVSクザンの話はジンベエが話してただけなのでサカズキの心情も何もかも想像です





人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -