授業も全て終わり、放課後。
真っ先に椅子から立ち上がったのは、黒神真黒であった。

「さてと……みんなはこれからどうするんだい?」

後ろを振り返り、日之影となまえにそう訪ねる。

「俺は少し…やることがある」

「そっか。じゃあなまえちゃんは?」

「部活動でも見に行こうかなって」

「え?」

立ち上がりながらのなまえの言葉に、真黒が驚きの声を出して日之影は驚いたようになまえを見た。
逆になまえは彼ら2人のそんな反応に驚き、教室内の時間が停止した。

「あはは、何の冗談だい?なまえちゃん。僕には元ネタがわからないよ」

「え?いや、部活動がいっぱいあるって聞いたから見に行こうかなって思って」

「………あまりオススメはしないな」

「?」

ぼそりと、小さく呟いた日之影の言葉になまえは首を傾げる。
真黒は相変わらず笑顔であるが、多少引きつっているようにも見えた。

十三組ぼくたちがどういうクラスなのかわかっていて、それでいてそんな行動をするっていうのかい?なまえちゃん」

「十三組がどうであれ、私は私だよ?」

「うんまぁそれは大前提なわけだけど、今の場合は逆だよ。君は君で、そして十三組アブノーマルだ」

再び、教室内が静まり返る。
日之影は何かを考えているようになまえを眺め、真黒は真剣な表情でなまえと向かい合っていた。

「ああいや、勘違いしないでくれよ。僕は君に嫌われたくてこんなことを言ってるわけじゃないんだ。むしろ好かれたい。だからこそ言ってるんだ」

「……………」

「なまえちゃん。君がどんな人生を歩んできたのかは知らないけど、一緒にお弁当を食べた仲の君に、忠告しておくよ」

日之影は何も言わない。
自分が言うよりも、彼が―――黒神グループの長男である彼が言った方が言葉の選び方が上手だろうと、身を引いていた。
なまえは、真黒の言葉を待つ。
一緒に授業を受けた仲だから、一緒にご飯を食べた仲だから、彼の言葉を聞かないわけがない。

「周りの人間に、あまり期待しないほうがいい」

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