02
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「……あれ?あれれれれ?れれれのれ」

「ふぅ、危なかったー」

「何その真っ白なマント。最初から着てたっけ?」

「着てない着てない。今まで散々喋ってたのにオレの服装すら覚えてないだなんて…泣ける」

「じゃぁ泣きながら死んじゃえば?」

「酷いね君」

「知ってる」

クロロ=ルシルフルはいつの間にか真っ白なマントを頭からかぶっていて、顔も手も足も出さずに少女と会話を続けている。
少女はそんなクロロを見ながらただ首を傾げるだけだった。

「……………………」

「…………?」

先ほどまでずっと喋っていた少女が何も話してこないことにクロロは疑問を持つが、まだ顔などは出さない。
気配で、少女がそこにいることを確認する。

「……いきなり黙ってどうしたの?」

短い沈黙でも耐えられなかったのか、クロロはすぐに口を開いた。
それに答えは返ってこないと思われたが――――そう思ったのはクロロの勘違いで、ちゃんと答えは返ってきた。

「どうもこうも」
少女の雰囲気が変わった事に、クロロは気付く。
先ほどまで禍々しい殺気を放っていた少女が、その殺気を仕舞い込んだのだ。
否。
正確には仕舞い込めてなどはいない。
その『殺す』と言う気持ちが自分からそれただけ。
だけど、それはとても不安定で。

「あなた、生きてますよね?」

嬉しそうな声音。

「死んでないんですよね?」

震える声。

「会えた!ようやく!!やっと!!」

それは歓喜。
(少女が求めた人間に会えたという)
それから恐怖。
(少女が求めた人間が居たという)
そして後悔。
(少女が求めた人間が存在してしまったという)

「先ほどは時間切れと言ってしまいましたが撤回しましょう!さぁ、どうぞ。お好きなように質問をしてあげてください!」

だってあなたは生きてるから!





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