03
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「……………………」

「……………………」

じーっとこちらを見てくる彼の視線が、シュニの横顔に突き刺さる。
顔の下半分が洋服によって隠れてしまっているため、表情はよくわからないが、雰囲気的に機嫌が良いというわけではないのだろうとシュニは溜息をはきたい気分になった。
シャルは強いだけで仲間になっているわけではないと言っていたものの、きっと彼はそう思ってはいないのかもしれない。
クロロは相変わらず本を読んでいて、他のメンバーはまだ起きてきていない。
シュニはどうしたものかと、こちらへ視線を送る彼の方を見た。

「何か用ね?」

「えっと……なんでもないです」

それはこちらの台詞だという言葉をぐっと飲み込んで、シュニは再び視線を元の場所へと向ける。
特に何かを見ているというわけでもないが、話相手もいないことだし、本を読んでいるクロロにわざわざ話をふるわけにもいかないということで、暇なのだ。
普段彼らは一体何をして1日を過ごしているというのだろう。

「シュニーおはよー」

そう、まだ呂律の回っていない口ぶりで朝の挨拶をシュニへ告げたのは、寝癖で髪をぐしゃぐしゃにしたシャルであった。

「おはよう」

そう、挨拶だけ返すと、シャルはへにゃりと微笑んだ。
その直後、シュニに今まで鋭い視線を送っていたフェイタンを見て、シャルの顔が硬直する。

「フェイタン……帰ってたんだ」

「何か文句でも?」

「いや……別に無いけど」

少し不機嫌になりつつも、フェイタンから視線をそらしてシュニを見る。
シュニはシャルがどうしてそんな表情になったのかがわからず、少しだけ首を傾げた。

「そういえば、こいつ、シャルが連れてきたって聞いた」

「こいつって……シュニにはシュニって名前がちゃんとあるんだけど」

「こんな弱そうな奴、こいつで十分ね」

「それ本気で言ってる?」

「シャル。とりあえずその寝癖をどうにかしたらどうなんだ?」

フェイタンを睨むシャルと、その視線をなんとも思っていないフェイタン。
その2人のにらみ合いを止めたのは、笑顔のクロロであった。
本に視線を落としたまま、優しくクロロはシャルに提案する。
確かにシャルの今の髪型は重力に逆らいまくっていて、普段のさらさらヘアーが嘘のようだった。

「……わかった」

ふてくされながらも、シャルはスタスタとその場から歩き出す。
他のメンバーも次々と起きてきたみたいで、建物の中から様々な音が聞えてきた。





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