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あまりにも突然のことだった。


「うっちゅ〜☆わははは!ここどこだ!?知らないところにいる!」


オレンジ髪の小さな男の子が、リビングの中をきょろきょろ見渡してぴょんぴょん飛び回っている。ソファに上って部屋の中をぐるっと観察したかと思ったら、窓ガラスにおでこをくっつけて外の様子を偵察。落ち着きがない。

彼が着ている水色の制服と黄色い帽子は幼稚園指定のものだろうか。
ちょっとぶかっとしていて、着られてる感がぬぐえなかった。
ぴょこぴょこ歩く姿は童話の中の小人そのものだ。


「ちょっとぉ、あんた少しはおとなしくできないわけ?ほこりがたつんだけど!」


その後ろで不満を口にしている男の子も同じ制服を着ているけど、彼にはぴったり似合っている。そのまま制服のカタログにモデルさんとして採用されてもおかしくない。
この子はちょっと幼稚園児にしては大人びてるというか、視線が鋭いんだけど。


「りっちゃんはねるから」


そして部屋に入るなり、ぱたん!と横になる黒髪の男の子。
君はなにしてるの。そこ床だよ?
本人は気にすることなく、当たり前のように目を瞑ってすでに半分夢の中。


「りつちゃん、だめよォ!こんなところでねたらかぜひいちゃう!」


あとから入ってきた金髪の男の子は、床に寝転んだ彼のお世話をし始めた。
腕を引っ張ってるけど、逆に引きずり込まれそうになって悲鳴を上げている。


「つかさは、どうしたらいいのでしょうか」


最後に赤髪のちっちゃな男の子が部屋の中の惨状を見渡して困り果てていた。
どうしたらいいんだろうね。お姉さんにもわかりません。


「五人もいるなんて聞いてないよ……」


わたしは文字どおり頭を抱えた。




突然ですが、幼稚園児を預かることになったみたいです。