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「ママ、おなかいたくない?」


リオと二人でリビングにいると、急にそんなことを聞かれた。

実はこの質問、初めてではない。
リオは最近よくこの話題をだす。

心配してくれているのかと思ったら、どうやらそうではないみたいで、痛くないよと返すと急に興味を失ったみたいに遊びに戻ってしまう。


「痛くないけど。どうしたの?最近よく聞くよね」


理由があるなら教えて欲しい。
わたし、そんなに体調悪そうな顔してるのかな。

すると、リオは嬉しそうに教えてくれた。


「あのね、おともだちがね、ママのおなかがいたくなったら、おとうとができたんだって」


ん?
想像していた展開と違う。
おとうと。

……弟!?


「リオもおとうとがほしいな!ママ、おなかいたくならないの?」


純度100%の瞳に見つめられて思わず硬直してしまった。
部屋の入り口を確認する。大丈夫だ、レオくんは二階にいる。


「えーっと」


とりあえず洗濯物をたたむのはやめて、リオと見つめ合う形で座る。
わたしの真似をして、リオも正座した。よろしい。
いや、もしかしたら叱られてるときのレオくんの真似をしたのかもしれないけど。
そんなことは今どうでもよくて。


「そのことだれにもいってないよね」


特にパパに。


「うん。パパにいってもわかんないとおもって」


リオは天才だった。
内緒話が楽しいのか、リオはわたしに合わせてひそひそと小声で話してくれる。


「サンタさんにおねがいしてもだめ?」


レオくんによく似た顔で首を傾げられると心臓に悪い。

男の子だったらさらにダメージが大きいだろうな。
……って、なに想像してるの、わたし!
レオくんのせいでわたしまで妄想癖が……!

そんなことよりリオさん。


「サンタさん困ると思うなあ。それにリオはお部屋が欲しいんでしょ?」


今年のクリスマスはサンタさんに一人部屋が欲しいってお願いするんじゃなかったの?
残念だけど弟はクリスマスプレゼントで簡単にもらえるものではないの。
あと、うちのサンタさん、レオくんだから。


「じゃあ、だれにおねがいしたらいいの?」


プレゼントの話につられて話題を変えてくれないかなと思ったのに、リオは弟のほうが大事みたいだ。
いつレオくんが来るかわからないし、早く話題を変えたいのに!


「考えとくね。あ、今日のおやつはプリンだよ〜!」
「わ〜い!」


プリンは偉大だった。