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翌日。
一晩寝たらだいぶ頭が軽くなった。
昨日のわたしはなにを考えていたのか知らないが、人前で泣くなんて余計なことをしてくれたものだ。おかげで教室に足を運ぶのがだいぶつらいものの、重い足を引きずって教室に向かった。

すると、教室に入ろうとして、クラスメートとぶつかりそうになる。


「わ! ごめん……! 名字さん、おはよう!」
「……!」


相手はわたしを見て慌てた感じで一歩下がると、戸惑いつつも挨拶をしてくれた。
おかげでわたしまで混乱する。


「おはよう、ございます」


だいぶぎこちない挨拶になってしまったけれど、彼は笑ってくれた。
……わたしの名前、覚えてるんだ。
という、どうでもいいことを考えながら席に向かう。


「名前、おはよ〜」


今日はすでに凛月が登校していた。
珍しい。


「おはよう」
「今日のま〜くんこわかった……いつも無理やりだけどその上をいく感じ」


よくわからないけど、げっそりしている。
凛月は朝が弱いのかな。

確か昨日まで口もきいてくれなかったのに、今日はなんだか普通だ。
機嫌がいいのかも。
いや、でも『ま〜くん』という人のことでだいぶ疲れてるみたいだしそうでもないのだろうか。


本当に不思議なことだけど、今日は教室の空気が吸いやすい。