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- ナノ -

一晩寝ると、レオくんはいつもの元気を取り戻していた。
顔色もいいし、食欲もあるみたいだから一安心。

リオが幼稚園に行ってしまったので、お昼はレオくんと二人きりだ。


「あーん、ってして!」
「しません。自分で食べて」


スプーンを押し付ける。
だれが食べさせるか、もう元気でしょ!


「な!昨日はかわいい声で『なんでも言って』って言わなかったか?話が違うぞ!うそつき!」
「……穴があったら入りたい」


思い出して急に恥ずかしくなる。
熱でぼーっとしてたから覚えてないと思ったのに!
こういうときだけ記憶力がいいんだから!


「名前の強いところおれは好きだぞ〜!でもたまに見せる弱いところも好き!ほら、好きって言って!」
「うざいんだけど!」


セナみたいだなおまえ、なんて呟いて怯えているレオくんを横目で見る。

もう熱はないのかな。
昨日のことがあるから、無理に笑ってるんじゃないかと不安になったりならなかったり。
あ〜、もう!素直になれない!


「熱下がった?」


気になったことはそのまま聞いてしまえばいいんだ。
あれこれ悩むせいでわたしたちは誤解とか後悔とかするんだよ。


「確認してみるか?」


レオくんに手を引かれる。
体調を崩していたわりに力が強くて、彼の思い通りに引き寄せ……


「ちょっと!」


られてたまるか!!
もう少しで唇が重なるところだったよ!

諦めずにわたしの腕を引っ張り続けるレオくんと、レオくんの胸に手を置いて距離をとるわたし。攻防戦が始まった。


「あ〜〜、もう少しだったのに!」


一瞬の隙をついてレオくんから離れると、ぷーっと頬を膨らませて残念そうな顔をされる。


「病人は大人しく寝てなさい!もう!調子に乗るとすぐこういうことするんだから!」
「最近いいところでキャンセルになるだろ!おれだって男なのに!名前の馬鹿!夕飯はおかゆ作って!」
「馬鹿でいいよ!おとなしく寝てて!」


お互いにこうなると収拾がつかない。
レオくんの部屋から飛び出して、そのままの勢いでリビングのソファに飛び込む。

も〜、おかゆ作ってあげるよ、仕方ないから!