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「『いばしょ』はみつけられても、あなたがそこを『いばしょ』だとおもわないかぎり、『えいえん』に『いばしょ』にはなりませんよ?ぼくもあなたも『まほう』はつかえませんしね……?」


その言葉はクラゲの毒みたいに、わたしの心にちくりと刺さった。
いつもふわふわしている彼にしては、少し厳しい口調だった。

わたしがここを居場所だと思わないと、居場所にはならない。
ずっと、ここも、あそこも、わたしには合わないと思ってきた。
息苦しくて、だめだと思ったら、そこで諦めて。

最初から自分にぴったり合う場所を探したり、周りがわたしに合わせて変わってくれることを望んでいた。

でも、それではいけないということ。
ずっとこの繰り返しだから。


「名前がここに『いたい』とおもうかが『たいせつ』です……♪」


わたしはここにいたいのかな。
いろいろな場所から逃げてきた。
小学校も中学校も、途中で逃げ出して、どこも全部だめだと思ってきた。

せめて一か月、ここにいても息苦しくないように過ごせたら。


「あの、メンダコさん」
「ぼくは、しんかいかなたです〜」


深海先輩?

そういえば噴水のときもなにも言えずに去ってしまった。
あのときこの人がいなかったら、一人で噴水に浸かっていなければならなかった。
いまも。


「……ありがとうございます」
「いえ、いえ♪ 『いきができる』ようになるといいですね……♪」


その笑顔に少し背中を押してもらえた。
教室に戻ろう。