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幼稚園も夏休み期間に入って、リオと二人で過ごす時間が増えました。


「ママ!みて!これなにかわかる?」
「えーっと、恐竜」
「スティラコサウルスだよ!」


最近のリオちゃんは恐竜に夢中。
新しく買ってあげたスケッチブックに、日に日に恐竜博物館が広がっていく。
ごめん、ママはティラノサウルスぐらいしか知らないな。


「パパはきょうもいそがしいの?」
「そうだね。お仕事がたくさんきてるみたいだし」


リオはパパに会えなくて寂しそうだ。

レオくんは作曲のお仕事で、外へでかけていったり、部屋に閉じこもったり、なかなかリオと遊ぶ時間がとれないみたい。約束していたランドセルも、まだ見に行けてない。

でもレオくんのおかげでこうやって生活できてるわけだし、わたしたちは我慢しないとね。


「そういえば、ランドセルの色、決まった?どれにするか悩んでたでしょ」


まだ見に行けてないけど、このまえデパートでカタログをもらってきたんだ。リオに渡したら、真剣な顔で選んでいたけど、どの色にしたのかな。最近のランドセルは色もデザインも吃驚するぐらい多いから、選ぶのに時間がかかりそう。


「あのね、まだまよってるの!リオは、これがいいんだけど」
「紺色?」


リオが見せてきたのは、クールなネイビーのランドセル。
意外な色だった。ママの予想はオレンジだったよ。


「どうしてこの色なの?」
「だって、これ!この『しゃしん』のパパがきてるふくといっしょ!」


なにやらがさごそ漁りだしたと思ったら、一枚の写真を持ってきた。

これは、去年大掃除をしたときにでてきた写真だ。

レオくんの学生時代の写真で、彼の隣には泉くんや凛月くんたちがいる。Knightsの写真だね。気に入ったみたいだからリオにあげたんだけど、大切にしてくれてるんだ。

あの時代のKnightsは人気が高かったし、いまも人気だからなあ。


「このいろ、りっちゃんたちのいろでしょ?だから、すき!」


リオは写真を両手で持って、パパかっこいいー、と騒いでいる。

なるほど。確かに色だけでなく、細かいデザインもどことなくKnightsの衣装に似ている。どちらかというと男の子向けのような気もするけど、落ち着いた色なら高学年になっても使えそうだし。


「あとね、みどりもいいな!パパのめのいろとおなじだから!」


次にリオが見せてきたのは黄緑色のランドセル。
ほんとにパパのことが好きだね。

リオも同じ瞳の色なんだよ、っていうのは黙っておく。かわいいから。


「リオの好きな色ならどっちでもいいよ。今度パパと一緒に見に行くから、それまでに決めておいてね」
「うん!どっちにしようかなー?」


恐竜さんのことはすっかり忘れて、ランドセル選びに夢中になっていた。
レオくん、今日もお仕事がんばってるのかな?