それはそうと、瀬名先輩の言動から察するに、わたしはこれからもここに来ていいということだろうか。彼の中ではわたしが勝手に来なくなり、仕事放棄したということになっているみたいだし。
「ここにいてもいいんですか?」
だれかと一緒にいるのは苦手で、できることなら一人でいたいと思う。
でも、もうここに来なくてもいいんだって思ったとき、ちょっと寂しかったのは気のせいじゃない。
「やることがあるなら他に行ってもいいけど?実質なんの役にもたってないしねぇ、あんた。まあ、かさくんのやる気アップにはつながってるみたいだけど?」
どっちなんだろう。役に立たないなら必要ないんじゃ。
先輩の言ってることがいろいろ矛盾してて、わたしの拙い頭では理解できない。
それにここに来るか来ないかという話の前に、わたしは退学する予定なので。
「でも、わたし」
先輩に事情を話そうとした瞬間、背後の扉がばーんと開いた。
驚いて、先輩のところまで駆け寄る。
「セナ!名前もいる!うっちゅ〜☆」
「!?王さま!!どこ行ってたの、あんた」
登場したのは月永先輩だった。
瀬名先輩も彼の登場に驚いたようで、わたしが怯えて背中に隠れても気にしていないようだ。
月永先輩はいつも大胆すぎる。もっと静かに現れてほしい。
「ん〜?ちょっといろいろ準備!それよりセナに先越されたな〜?名前を迎えに行くのはおれのはずだったんだけど!ちょうどいいからそのままセナが名前を勧誘して〜?」
わははは☆と豪快に笑った月永先輩に、わたしと瀬名先輩は揃って固まる。
言葉がでてこない。
勧誘って。そういえば迎えに来るとかなんとか言ってたけど。
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