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- ナノ -

「デートってなんだっけ」


思考が停止する。
デート?
レオくん、何言ってんの?


「おまえ知らないのか?そういえばあんまりしたことないもんな〜。うん、わかった!今日はおれがリードする☆」


いや、知ってるけど。
レオくんの口から『デート』なんて単語が飛び出したせいで驚いてるの。
逆に聞くけどデートってなにか知ってる?
急にインスピが湧いてどっかにふらふら行っちゃうようじゃデートにならないよ?


「嫌か?おれとはデートなんてしたくないのか」


わたしが黙っているとレオくんが急に声を低くした。
一目見てわかるくらい落ち込んでいる。
テンションの浮き沈みが激しいよ!


「嫌じゃないけど!」
「ほんとか!?じゃあ決定だ!今日は久々に二人きりだなー!」


めちゃくちゃ喜んでるし。
わたしはこの状況についていけなくてまだ混乱してるんだけど。


「それじゃあ、一つだけおれのいうことを聞いて!」


元気を取り戻したレオくんからの提案。


「なに?」
「今日は一日おれと手を繋いで過ごすこと!名前から離すのはなし!おれがいいよって言ったときだけな!」


はい?
なにそれ、バツゲームか。
デートしてあげるんだからそんな条件つけられても困る。

デートをするか、手を繋ぐか。せめてどっちかにしてよ。と、文句を言う前に


「……やっぱり無理だよな?困らせてごめんな?」


なんて視線を逸らされたら、何も言えない。言えるわけがない。
レオくん、いつからそんな技を習得したの!
動揺してしまうわたしも単純だけど!


「う、ううん。手をつなぐだけでしょ?それぐらいべつにいいけど」
「やった!名前は優しいな、大好きだ!」


演技じゃないの?ってぐらいレオくんの笑顔は爽やかだった。
うう、悔しい。普通そういうのは女の子が使うものなんだよ!


「ほら、手を取って、お姫様〜!」


あれやこれやと考えている間に、レオくんが手を差し出してくる。
お姫様って。それ、リオが好きなやつじゃん。

ファンの女の子ならきゃあきゃあ言うところなんだろうけど。


「……着替えてくる」


わたし、まだパジャマなんで。