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- ナノ -

嵐くんと出会った数日後の、土曜日の朝。
目を開くと隣にレオくんの姿がなかった。
珍しい。いつもわたしのほうが早いのに。
わたしが寝坊したわけじゃないし、仕事でもあるのかな。


「おはよう。リオ、なにしてるの?」


リビングに行くとリオとレオくんが二人でがさごそ何かをしていた。
リオの前にあるのはゾウさんがプリントされた大きな鞄。
この鞄はお泊まりのとき持っていくやつだけど。

鞄に着替えやらスケッチブックを詰め込んでいるのはなぜ?
お泊りする予定なんてあったっけ?


「りっちゃんとこいくんだ!」
「え?そんな大荷物で?」


凛月くんのところには頻繁に遊びに行くけど、遊びに行くだけならそんなに荷物はいらないはず。
いつもおでかけするときに持っていくライオンさんのポシェットは?

わたしが困っていると、レオくんが教えてくれた。


「リッツがリオとお泊り会したいっていうからさ!もうすぐ迎えに来るはずだけど!」
「は?そんなこと聞いてないんだけど」
「いま言ったから!ごめん!急に決まったんだ!でも名前は心配するな!リッツなら安心して任せられるし!」


そんなこと言われましても。
せめて前もって教えてくれないと困る。


「ママもいっしょにくる?」


わたしとレオくんの間に流れている空気を感じ取って、リオが提案してくれた。
しかし、わたしがうん、という前にレオくんが勢いよく立ち上がる。


「わああ!だめだ!名前は行っちゃだめだからな!?リオはリッツにたくさん遊んでもらって?」


なぜかすごく焦っていた。
なんでわたしは駄目なの?凛月くんのとこにはわたしもよく遊びに行くよ?


「パパママ、いってきまーす!」
「いってらっしゃい」


そのあとレオくんが言った通り凛月くんがリオを迎えに来て、彼女は元気に出かけて行った。
わけがわからないままぎこちなく手を振って見送る。
隣に立っているレオくんはいつもと変わらない笑顔だ。


「……」


え、あれ、これってもしかして。
リオがいない。
ということは、今夜はレオくんと二人きりってこと?
そんなの久しぶりだ。

少しどきどきしたものの、気を取り直して家事に専念することにした。
よし、洗濯物干そう。床の拭き掃除もしたいし。
リオがいないからお昼は簡単に済ませてもいいかな。

なんて呑気に考え始めた時。


「名前、デートしよう!」
「へ?」


レオくんの一言でわたしの休日は奪われた。