×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -

それは突然だった。


「あの、鳴上くん」


手を引かれて廊下を歩く。
これは一体、どういうことだろう。
どこへ連れていかれるの?

ぐー、とわたしのお腹がむなしく鳴る。
お昼を食べていないのが、こんなところに響くなんて。
すぐに帰れると思っていたわたしが悪かった。


放課後になって、いつもどおり静かに帰宅しようとしたわたしは、同じクラスの鳴上くんに捕まった。


「ごめんなさいね。少しだけアタシに付き合って?」
「……はい」


おとなしくついていくしかなさそうだ。


*


鳴上くんについていってたどり着いたのはあのスタジオだった。
正直言って、ここにはいい思い出がない。


「まあまあ、あがっていって?名字ちゃんには少しだけお願いがあるの」


鳴上くんはさっきから“少し”を連用してるけど、わたしには少しの余裕もなかったりする。
一歩間違えれば空腹のせいで吐きそうだ。……吐くものも残ってないか。


「用があるのは泉ちゃんなんだけどね♪」


そう言って通された部屋の真ん中には、見覚えのある先輩。


「ひっ」


思わず小さな悲鳴を漏らして鳴上くんの背中に隠れる。
男の子は背が高くてよかった……


「あんたさぁ、俺の顔見てそんな態度取るなんていい度胸だよねぇ?」


こわすぎた。