拾八


「う…ん」









目が泳ぐ惷香を見て
八戒はスッと目が光る








「約束出来ませんか?
なら三蔵に全てを話すしか…」


「あーっ!!!
しますしますっ!
約束させて下さいっっ!」








八戒はニッコリと笑った








「はい
なら必ず守って下さいね?」








八戒の脅威(?)により
約束させられ再び三蔵達に追い付くかの様に歩き出した



八戒にも夢の出来事までは話せないまま
平地に着いた所でジープに乗り

西へと移動し始めた



三蔵は惷香をルームミラーでチラッと見た



いつもならば悟空や悟浄と楽しそうに会話をしているのが

ボンヤリと俯く惷香に三蔵は黙ったまま見つめた


そんな三蔵を八戒は横目で見ては口を噤んだままだった







新たな街の手前で三蔵一行は妖怪に襲われていた


最近襲いに来る妖怪達は
牛魔王の刺客ではなく

【おたずね者の三蔵一行】

を倒そうと湧いて来ていた



正直惷香は戦いや治癒に明け暮れた方が考えずに済むと


内心襲われた方が安堵感を覚える程内心怯えていたのだった…








「――三蔵一行…
奴らに正面からぶつかっていったってバカ見るだけだぜ
もっと頭と技を使わなきゃな
――俺のように」









1人の影が三蔵一行に近寄った







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