朝早く惷香は旅に備えて荷物整理をしていた


手荷物のバックの中から
この世界に来たキッカケの本が指先に当たった



惷香は小さく









「あ…」









と呟き本をバックから取り出して手に取った








「この本を買ったのも
もう1年も前になるのかぁ…」








惷香はパラッとページを捲る








「なっ…?!」









惷香は驚き本をドサッと床に落とした


この世界に来たキッカケの本

この世界に来た時には真っ白になっていた筈の本



その中に赤い文字が描かれていた



























『待っていた 惷香…



来ると思ったいた





もうすぐ…もうすぐ





















会えるよ…』










「な…に…これ…」








誰かの悪戯書き?



だがバックの底に入っていた本を誰かが取り出し

元に戻すなんて不可能に近い…



惷香は背中に嫌な汗が流れたのを感じながら


再び本をバックの奥底に潜らせた





.

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