夢現・弐


俺は物心が付いた頃には


薄暗い地下牢で
手足に枷を付けられ過ごしていた




それが当たり前だと思っていたし
別に何かした訳でもない


















ただ父親は神で



母親は人間だったと言う





俺は地下牢を監視する奴らに





『禁忌の子』





そう言われていた―――






幼い俺は禁忌も知らず




ただいつも座って


監視する奴らの話をぼんやりと聞いていた






『コイツいつか殺されるんじゃないのか?』


『まぁこんな場所にいたら
いつか死ぬだろうよ
例え半分【神】だろうがな』







死ぬ…?



俺は死ぬんだ…




俺は死ぬ事を強く望んだ





何故なら


















死ねば自由になれるから…






.

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