六拾弐


血まみれの三蔵を見て
悟空がガクガクと震えた








「悟空!?」









はぁ……はぁ……








「うあ……あぁ…あ…!!」


「おいッしっかりしろ!!」









パキィ―…・ン









悟空の金鈷が壊れた







初めて見る悟空の違う顔…

長い髪 伸びた爪 不敵に笑うと見える牙 そして夜雨でも光る金色の瞳―――









その後
悟空は六道に襲い掛かった

その間に八戒は三蔵の手当てを始めたが 六道は悟空に致命傷を受けると札を使い姿を消した


金鈷がない悟空に判別能力もなく
悟浄に襲いかかった








「ったく
トチ狂いやがって…!!」


「悟浄!!」









悟浄は自分の腕を悟空に噛ませ
頭を押さえる









「〜〜〜目ェ覚ましやがれッ
このバカ猿……ッ!!」









(そのまま抑えておけ!!)











その声と共に悟空の頭に光るリングが描かれ








カシッ―…









と金鈷が嵌められた


その瞬間悟空は眠る様に倒れた









「だらしないねーー」


「あなたは一体…!?」


「……よォ」









黒い長い髪にチャクラを持ち
どこか見た事がある女性が立っていた









「こんなところで足止めくらってる様じゃ
大した事ないな お前ら」


「なッ
何者だてめぇ!!」


「口を慎め!
この御方こそ
天界を司る五大菩薩が1人
慈愛と慈悲の特徴
観世音菩薩様にあらせられるぞ!!」


「観音様ァ?!これが?」


「慈愛と淫猥の象徴ってカンジなんですけど…」


「…いい度胸だ」









悟空の金鈷を付けたのはこの観世音菩薩

通常の物質ではなく強大な神通力を固形化した
【神】のみが施す事が出来る特殊な金鈷なのだと言う









「さてと
問題はコイツか」


「傷口は塞いだんですけど出血量がかなり多くて…
こればっかりは」


「フン」









そう言うと観世音菩薩はキョロキョロと周りを見渡した

建物の屋根の下で座りこむ惷香を見つけると観世音菩薩はニヤリと笑った








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