四拾六


「惷香!大丈夫か?」








突然悟空の金鈷に触れた途端
不思議な映像が頭に広がる間
惷香は地べたに座り込んでいた








「あ……」








悟空の声に顔を上げると心配そうに覗き込む悟空と
その後ろに八戒がいた








「悟…空?」


「どこか痛いとか?
それとも腹減った?」


「悟空
それは貴方でしょう
惷香さんどうしました?
大丈夫ですか?」


「八…戒……」


「どこか具合が悪いならば宿屋に戻りましょう」


「あ…いえ
ただの立ち眩み…です
すみません大丈夫」








悟空がスッと手を差し出す
惷香は悟空の手を掴んで立ち上がると服に付いた泥を手で払う








「本当に大丈夫ですか?」


「ええ
ありがとう」









惷香は困りながらも八戒と悟空に笑顔を向ける








「でも色々疲れが出ると思いますから
辛い時は遠慮なく言って下さいね
倒れてしまっては元も子もありませんからね」









八戒は真面目な顔で惷香の肩に優しくポンッと手を置いた








「ええ…ありがとう」








その後 何事もなかったかの様に買い物へと向かったが
惷香はどこか上の空だった







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