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「・・・、」

「お前から、血の匂いがする」

鷹宮海斗、そう呼ばれた彼は私の兄だという。彼は私の頭に銃口を当てつけると、鋭く私を睨みつけた。誰かに似ていると思ったら、零に少し行動が似てるだなんて思う。

「ちょっとちょっと!師匠と弟子で同じことしないでよ!」

聞けば、零のハンターの師匠とこの人の師匠が同じらしい。師匠譲りなのかな・・・こうゆうところ、全然零の方が行動の大胆さはあるけれど、ゆっくりと彼は銃口を下ろせば、私を見下ろした。

「喧嘩するなら、海斗君!出て行ってもらうよ!!」

「・・・はいはい、わかってますよ。俺はただ妹に会いに来ただけなんで」

妹に、会いに来た・・・。普通家族なら真っ先に会いにこないだろうか。
普通ヴァンパイアになった妹には会いに来ない。最後の答えに納得すると、どうして今更・・・なんて思う。

「あまり、笑わなくなったな」

「無理ないよ、記憶がないんだからね」

「俺のことも思い出せないのか、NO NAME」

その言葉にゆっくりと頷いた。彼のことは覚えてない。母も父も覚えてない。記憶に残っているものは、あの純血種だけ。私には・・・それしかないようで。

「ふうん・・・、まあいい。また来るよ」

「それだけ?!海斗君!!」

彼は背を向けて扉を開くと、それだけですよ。と扉を閉じた。理事長さんは息を吐き出して、苦笑いを浮かべながら私を見た。

「ごめんね、それでも彼は君のことは心配しているんだよ。君が最初にここに来たとき、何度も連絡してきて・・・家族だし、彼のところで君を任せようとしたけれど彼も多忙なハンターだからね・・・」

「・・・そうですか」

うそだ。そんなの・・・彼の変な視線も何もかも、何かがひっかかる。彼は私を妹としては見ていない、化け物としてみている。じゃないと銃口を当てたりなんかしない。なんて、奇怪な兄妹。







ただ、彼が私を見る目が少し、


切なく見えて

   

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