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「実はね、君に狩りの命令が下っているんだ」

「・・・は?」

「今まで、言わないでおいたんだけどね・・・君はハンターの家に生まれた子なんだよ」

私だけ理事長さんに呼び出しをくらっていたので何かと思えば、とんだ話しだった。そんな覚えもない。私が眉を寄せていると、やっぱりと言った理事長さんはゴソゴソと後ろから箱を持ってくると、私に開けるように言った。

「それは狂双剣、君のお父さんが使っていた双剣だよ。」

箱を開ければ、視界に入ったのは二つの双剣。異様な雰囲気を感じる、武器だった。なにか、嫌な・・・気配なはずなのに、なぜか懐かしいような感覚。

「君に受け継がれる予定だったらしいよ・・・受け継がれる前に、事件が起きてしまったけれど」

「・・・これを持って、狩りをしろっていうんですか?」

狩り、レベルEに落ちたヴァンパイアを狩る仕事。ハンターのことは零に教えてもらった。零がハンターだっていうことも知っている。まったく私たちは似ている立場にある。でも私以上に零は、傷ついているのだと思う。

「分かりました・・・」

「え、いいの・・・?!」

「だって命令って言ってましたし」

まあ、そうなんだけどね。と苦笑いした理事長さんは小さく笑った。双剣を懐に持って、理事長室を出ようとしたとき理事長さんの声がした。

「ああ、君のお兄さんのことだけどね」

「・・・聞きたくないです」

家族の話しなんて聞きたくない。どうせ変わってしまった私になんて。用はないのだから

兄がハンターなら、尚更。

パタンと理事長室の扉を閉めると、歩みだした。





「近いうちに・・・君に会いに来るんだよ」







何かが拒絶する

   

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