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「迎えにいく」

そう言って島を出ていくと言った貴方に私はなんて、言ったのだろう。夢を叶えられたら、お前を迎えに行くから、なんて約束をして、私を貴方は置いていく。私の返事も、私の答えも、気にしないまま。どれだけ、貴方は勝手なんだろう。昔からそうだった、新しいものを見つけたら真っ先に走って行って、私を置いていくの。私は彼の背中を眺めてばかりで


彼の走る背中を、見つめていてばかりで


息を飲み込むと、零していた涙を拭った。曇っていた気持ちが晴れるように、私は走った。彼の背中が見えるまで、彼に追いつくまで。彼と同じ景色が見れるまで。風をきれ、大地を駆けろ、


「伝えたいことが、あるの!」


答えも聞かないまま彼に、私の気持ちも知らないまま勝手な約束をした彼に。海に見える丘までたどり着くと、私は海を眺めた。太陽の光できらきらと輝くあの海の向こうに彼がいる。


「好きだよ!」


溢れるばかりの気持ちはもうなくせないの、貴方に会いたくて仕方ない日々がこれから続くだろうけど、信じているから。いつか迎えに来てくれるって、それだけ想ってるから。貴方の背中に追いつくことはできなかったけど、貴方は私をちゃんと迎えにくる。昔のように、笑いながら、めんどくさそうに、私の腕をひく貴方はきっと来る。

またこぼれ落ちた涙だったけれど、私は笑顔でいられた


信じているから、だから、










だから、お願い



     

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