今君の体温を感じたい 「みお……」 紅いあなたに問う。 もうあなたは帰ってこないんですか? 「…どうして……。」 みおの体を抱き寄せ、強く抱きしめた。 ああ…彼女はなんて冷たいんだ。 「みお…っどうしてですか…!」 ぎゅっと抱きしめた彼女から、昨日のような体温は感じない。 どうして、昨日まであんなに愛し合っていたのに。 もう君は僕を愛してくれないんですか? 「…っ、みお…っどうして僕を1人にするんですか…?!」 零れた涙はみおの頬に落ちて、そのままみおの血に混じり消えた。 首から大量の血を流して動かなくなった彼女。 昨日まであんなに暖かかった君の体温はもう感じられない。 昨日まで当たり前だった君をもう感じられない。 動かなくなった君を抱きしめるのは辛い。 もう2度とその瞳で僕を映してくれないんですね。 もう2度とあの笑顔を僕に見せてくれないんですね。 それがこんなにつらいなんて。 喧嘩とはわけが違くって。 喧嘩したときはどっちかから「ごめんね」っていって。 君は笑うのに。 「…っ…ごめんね…。みお…僕が…君を守れなかったから…!」 君はもう僕のそばにはいてくれないんですね。 離れて初めて知った。 君が笑わないことが、 君が泣かないことが、 君が怒らないことが、 君が喜ばないことが、 君が僕を見ないことが、 すべてがこんなにも残酷だなんて。 昨日に戻ればいいのに。 過ぎてしまった時間は戻らない。 分かっているけど、君の体温が恋しい。 もう一度でいいから…君の体温を感じて安心したい。 ああ… 「みお…愛してる。」 冷たい唇にキスを落として。 僕は前に進まなければ。 君の分まで生きなければ。 君の夢を…かなえなければ。 (アレンは夢ってある?) (ええ、まあ。) (あたしの夢はね、平和な未来で笑うことだよ。) (どうしてそんなことなんですか?他にもっと…) (きっと平和な未来なんて来ないんだよ。夢を見よう?) 僕は、たとえ君のいない未来でも、 たとえ君が笑えない世界でも。 その未来で笑ってみせるよ。 ******************************************** アレン夢です。 どうして悲しい物語はこんなにスラスラとかけるのだろうか。 2012/12/14 ←Back |