読書の感想でも

珍しく書いてみようかと思います、メモがてら
できる限りネタバレなしで


途中まで読んで放置していたマルキ・ド・サドのジェローム神父を読了しました
あれは最後まで読んでこそ意味のある本ですね
いや、本って大体そういうものか


最初はただただ「なんて理不尽な暴力なんだ!」と思いながら読んでいたのですが、最後まで読むと「ふむふむ、なるほどねー」と論破されてしまうかんじです
善と悪とは何なのか
幸、不幸とは何なのか
読了後に自分の今までの様々な境界線がかき混ぜられたような感覚になりました


それ故、といいますか、誰彼構わず読ませてはいけないなーと思います
「自分はどのような言い訳を突きつけられても法を犯すようなことはしないぞっ」という方のみお読みください
もちろん、エログロが大丈夫なことは大前提ですよ!


いろんな出版社から出ていると思いますが私が読んだのは澁澤龍彦さん訳・会田誠さん挿絵のものです
絵は描き下ろしではなく全て既存のもので、ほとんど美味ちゃんシリーズなので、本に登場する犠牲者の少女たちとはなかなかギャップがあるような気がしました


美味ちゃんシリーズは消費され続ける運命を抵抗することなく、ただひたすらに受け入れこなしていく存在、と私は捉えていたので、作中の普通に死を恐れ苦痛と屈辱にもがく少女たちとは重ならないなーと
ただ絵や創作物の受け取り方・感じ方は人それぞれですからね


それに、文中では壮絶に死んでいく「女の子」が挿絵では淡々としているので逆に読みやすいかもしれません
挿絵まで凄惨だと目が当てられませんものね


私と同じように別の出版社のジェローム神父も他のサド文学も読んだことがない方には良い入り口なのかも


怖々ではありますが、他のサド文学もちょっと読んでみたいなーと思いました
次はソドムか悪徳の栄えあたりが定番なのかな?



補足(?)
マルキ・ド・サドといえばサディズムの語源となった人物として有名ですが、そういえばマゾヒズムは何が由来となっているのかなーと思い調べてみました!
レーオポルト・フォン・ザッハー・マーゾッホという方で、こちらも貴族の作家さんなのだそうです
うーん……聞いたことない
代表作は「毛皮を着たヴィーナス」だとか
うーん……聞いたことない


この方もサド同様、作品から実生活までそのまんまの性癖だったようですよ
付き合った女性に奴隷として従うというような誓約書を自ら書いたみたいです
な…、なるほど


ではでは、読む際は自己責任でお願いしますね!







*0-2014/08/07


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