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By お茶
2010/06/25



「ぶっ…!」

笑い出しそうになるのを必死に堪えて肩を震わせているキバを睨んでいるのは青筋を浮かべた一対の黒瞳。因みに、近くにいる碧眼は特に気にした風もなく周りの輩と談笑している。
二時間目が終わり、少し長めの中休みにシカマルとナルトの席付近にわらわらと集まってきた友人たちの顔にはニヤニヤとした嫌な笑みが貼付けられていて。そんなメンツに、シカマルはつい先程、ナルトに根負けしてしまった過去の自分を張り倒してやりたい気持ちで一杯になっていた。

「いーだろー?本当にお揃いにしたんだってばよー。」
けらけらと笑うナルトの頭で揺れるまあるいぼんぼん、と、色違いのぼんぼんがシカマルの頭にも括られ、ナルトは自分のに付いているそれを面白そうにちょいちょいとつついている。そんな二人の様子をじっと堪えながら眺めていたキバがもう我慢出来ないとぶはっと吹き出した。

「に、似合ってるわよ…!」
シカマルの席の前でも同じようなことが起こっていて、こちらでも同じく体を震わせるイノやサクラがいた。しかし眉間の皺を一つ二つ増やすシカマルとは反対に、明らかに面白がっているであろう連中にナルトは嬉しそうににこにこと笑っている。

(チッ…。)

こいつに一々振り回されていることが恥ずかしくて、悔し紛れにまるっと晒されたデコを思いっ切り弾いてやった。
「だっ!」
額を押さえて何すんだと睨んでくるナルトに、ドサッと深く座り直すとあぁ本当にもうどうしてこんな髪ゴムを付けることを了承してしまったのかと再び後悔した。ニヤニヤと笑うギャラリーに更に苛々を募らせて、がばっと後頭部へと手を上げて髪紐ごと抜き取ったぼんぼんをぺいっと投げやれば、器用にキャッチなんかしてくれちゃって。
「あーあ、似合ってたのに。」
残念そうに受け取ったぼんぼんを見つめるナルトに、そんなモン似合ったって嬉しくないと不貞腐れたように腕を枕に机にだらりと身を預ける。解けた髪が絡み付いて異様に暑いがこの際気にしていられるものか。

「ったく…お前馬鹿だろ?」
「馬鹿とか失礼だなー。俺は根っからのシカマル馬鹿だってばよ?ついでに髪を下ろしたシカマルも大好きだってば!」
そう言ってVサインをしてニカッと笑うナルトに頭痛で痛む頭を片手で押さえて、それでも最後にははいはいと許してしまう己の甘さに辟易しながら落ちてくる黒髪を掻き上げた。モテモテだなーシカちゃんと言うキバの台詞はことごとくシカトしてやったけれども。


「あ!なぁシカマル、今日一緒に帰ろー。」
「あ?」
「今日はいつもより早く終わるからさー。」
部活が終わるまで待っててと言われて待つほど優しくはないし大体何故そんな面倒くせぇことこの上ないことをやらねばならんのだ。

と、心では思っているのに。

「…あー、はいはい。」

ぷらぷらと適当に手を振れば途端にパァッと明るくなる表情。
良かったなぁナルト、なんてほのぼのとした雰囲気を垂れ流すそこいらに、シカマルは溜まりに溜まった溜息を飲み込むしか出来なかった。





―――――
特に動いてません;
恵利さんあとをお願いしますー!

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