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By お茶
2010/08/01



登校してからそんなに時間は経っていないにも関わらず、身体はもうグッタリと疲労していた。流した涙はもうすっかり渇いて、ぱりぱりと顔に不快感を残している。

(頭ガンガンする…。)

痛む前頭部を押さえてくしゃりと髪を握る。ほんの数分前を思い出すだけでくらりと遠退いていきそうな意識を必死でつなぎ止めて。

そんな俺のグダグダとした話を今まで静かに聞いてくれていたキバとはついさっき別れた。あぁいうところは優しい奴だと思う。最後にじゃあなと聞こえた声音には怒気が含まれていたような気もしたが、いっぱいいっぱいだった俺はただ俯いたまま手を挙げるしか出来なかった。





毎日言っていた「好き」とは少し違う本物の「好き」。

そのたった二文字を言葉にするのに、言葉にしようとした意気込みのために、こんなにエネルギーを消費するとは思わなかった。

(ま、言えなかったけど。)

口にする前に折られてしまった。

せめて、言わせてくれていたら、少しくらい今の状況が変わっていたのかもしれない。

けれど何より。

上手く答えられなかったことが悲しかった悔しかった。

カカシに呼ばれて出ていくシカマルを止めることすら出来ないくらい全身でその疑問にぶちあたって動けなかった。

宣戦布告をしたのはこっちなのに、もう白旗が目の前に置かれている。





諦めない、が信条だった。

けれども足がすくんで動くことすら出来ない無様な自分を前にして、今、その曲げることのなかった信条がくじけそうになっている。しかし潔く諦めれば良いものを未だ諦めきれない矛盾した自分がいるのも事実。

だって本当に嬉しかったんだ。

シカマルはもう忘れてしまっているかもしれないけれど、あの時の言葉がいっつも逃げてた自分の支えだった。

悲しみなのか喜びなのかよく分からない感情のまま、じわりと再び滲む視界を手の甲で拭う。



「あ…。」


そうだ、支えだったんだ。ここでくじけてしまえば、あの時くれた言葉それすらも否定することになる。

また、逃げてんじゃん…。

(これじゃあ何も変わらないってば!)

頬を勢いよく叩いて立ち上がる。
白旗が置いてあるにしても取らなければいい。負けたくない。それくらいこの想いは強いのだから。



「ウジウジウジウジ…こんなん、俺らしくないってばよ!」



大丈夫。



まだ、諦めない。



踏み出したと共に、予鈴を知らせるチャイムが鳴り響いた。





―――――
短い…ですがナルトのその後でした!立ち直ったよ!まだ頑張れるよ!

という訳で蓮嘩さんお願いしますー。

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