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By お茶
2010/07/15
「ナルト?」
不自然に立ちすくんでいたナルトに声を掛ければ、あからさまにその肩が跳ねる。誰もいない教室で、何をしているのかと問おうともしたが少しばかり引かれた椅子を見て何となく悟ってしまった。
(俺、こういうキャラじゃなかったんだけどなぁ。)
何となく早くに目が覚めて早めに学校に来てみれば、やはり慣れないことはすべきじゃないなとこっそりと溜息をついて。
でも放っておくことも出来ず。
ぼんやりと焦点の合っていないナルトの手から荷物を奪って机に放ってから、抵抗のないナルトの首根っこをしっかりと掴んで教室を出ていく。いつもだったら何すんだと睨みつけてくる碧眼も、今は遠くを眺めているようで、ただ引きずられるままにフラフラと覚束ない足取りでついて来るだけだった。
「なぁ。」
校舎の端にある非常階段には時間の関係もあるだろうが、全くと言っていいほど人気がない。ストンと腰を下ろす俺の前に突っ立ったまま、つまり俺を見下ろす様にナルトは佇んでいた。声を掛けてからしばし。
ぼんやりと霞んでいた瞳に少しだけ光が灯ったと思ったそれは。
「…っぅ、な、キバ…っ。」
ほたりと。
「んー?」
足元のコンクリートに次々と染みが出来ていく。
(あぁやっぱり、なぁ。)
心配そうに相手をすればこいつは気にして言いたいことの半分も言えずに逃げやがるから、適当に聞こえるように相槌を打つ。昨日の今日でこんな展開かよ、ともう一人の友人を恨みがましく思いながら。
「好きっ、て…何?」
俯いた顔はそれでも俺をしっかり捉えるナルトはこれ以上ないほど傷付いていて、それはあんなに毎日めげずに撒き散らしていた表情とは程遠いものだった。
―――――
キバ好きなのですよー(笑)
という訳で次は恵利さんお願いしまーす八(´∀`*)
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