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By 恵利
2010/06/26
めんどくせぇ、などと思いながら次の授業のために移動をしていたシカマルは向かいからやってくる人物を視認すると意外そうに微かに目を見開いた。
「奈良じゃないか。委員会以外で会うなんて珍しいな」
「そうっすね。テマリさんも移動っすか?」
「あぁ。また委員会でな」
じゃあ、と会話らしい会話もなく急ぎ足でテマリは去っていく。シカマルも急いだ方が良いか、と歩きだしたところでガクンと膝が折れた。急に背中に重みを感じ、蹈鞴を踏み、何とか倒れ込まないように踏みとどまった。
「今の人、誰だってば?」
ジトッとした目でシカマルを睨む青眼。問う声には何やら色々と含まれているようだ。そしてシカマルと共に移動していた他の二人、キバとチョウジはどこか面白そうに様子を見ている。
「…めんどくせぇ。一つ上の先輩だよ。委員会が一緒なだけでそんな仲良くもねぇっつーの」
「本当かよ?」
「本当だってーの。つかナルト、重い。退け」
はぁ、と思わずため息がでる。どうしてテマリ相手にこんなにも敵対心を露わにしているのか理解が出来ない。
シカマルの退け、という言葉に従わないまま暫くシカマルを睨んでいたナルトはシカマルからの2度目の退け、に漸くシカマルを解放した。と同時にチャイムが鳴る。
「やべっ!」
授業が始まる合図だと気づいた瞬間、4人は同時に走り出した。
「怒られたらシカちゃんの所為だかんな!」
「はあ!? 何でだよ!」
「キレーな先輩といちゃついてたのが悪い!」
「いちゃ?! 誰がだよ、誰がっ!」
全力疾走しながら言い合うシカマルとキバ。キバの言葉にそーだそーだ、と賛同するナルトにシカマルはめんどくせぇ、と本日何度目になるか知れないため息をついた。何も言わず、ただ不憫そうにこちらを見ているチョウジだけがシカマルの唯一の救いだった。
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