子供でいる為の裏事情



虫採った!と嬉しそうに笑う少年を見てため息をつく。
さっきあんなことをしてきた癖によくも年相応の笑顔が出せるものだと悪態をついた。
そんなこと言ったってルフィは気にも留めない。
相変わらずキラキラと目を輝かせて、木に止まる虫に手を伸ばす。
手には肉を持ち、バクバクと食べる。
さっきあんなことをしてきたルフィの唇は汚れている。



私とルフィは幼いころから仲がよく、いつも二人で一緒にいた。
周りの大人にはまるで双子みたいだね、なんてよく言われた。
ルフィの兄のエースも私にとって本物の兄の様だった。
私には兄弟がいなかったので二人の存在はとても大きなものだった。
しかし、エースが兄になってからのルフィは少し変わってしまった。
私とエースが話しているのを見て少なからず嫉妬していることには気づいていた。
そのせいか何なのかルフィは私からより一層離れなくなった。
朝から晩まで、たまに眠るときも一緒に過ごした。
たまにルフィはキスをしてくるようになった。
触れるようなものから激しいキスまで様々だった。
私は弟ぐらいにしか思ってないルフィからキスをされるのは驚いたが別段気にもしなかった。
それがいけなかったのか否か。
行為はどんどんエスカレートしていき、結局最後までやってしまった。
私は怖かったが、ルフィならいいやと思えた。
しかしこの行為はやってはいけないものだと私たちは思っている。
絶対エースには言わないという二人の暗黙のルールがいつの間にか出来上がっていた。


ルフィは最中男っぽい顔をしてるのに、こうやって終わった後はいっきに子どものような顔になる。
元に戻ったルフィを見るとひどく安心する。
どうしてこういうことをするのか疑問だった。
ルフィは俺もよくわからないけどお前を見てると触りたくなるんだ!と言っていた。
男の子は理解できないな、と思った。




今度はアゲハ蝶を捕まえたらしい。
綺麗だね、なんて言えばお前にやると言う。

「俺とお前はずっと一緒だ!」

二カッと笑ってそういうルフィ。
ルフィの短い髪はさらさらと風で揺らぐ。
私はいつまでも子どもでいたいと思った。





thanks蟒蛇


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