守られる、守らせて 『こっちにおいで、楽になるわ』 ☆★☆★ そこまで話し姫は黙った。 辛かったんだろう、一人で背負い込んで、助けさえもとめられず。 「リングのことは、フランに調べさせろ。」 そう、ザンザスが呟いた。 「あぁ。」 「跳ね馬のところに行く。」 急なのはいつもだが、アポなしで大丈夫か悩んでいたが、ザンザスが部屋をでようとして、立ち上がって言った。 「姫・・・よくはなした。 まってろ」 すたすたと部屋を出て行ったザンザスの背中をみてから、姫を見て笑う。 「姫疲れただろぉ・・・ 休んでろ。」 そう言って頭を撫で、ザンザスを追った。 ☆★☆★ 話して良かったんだろうか。 この戦いに皆を巻き込んでもいいのか、だって死ぬかもしれない。 むしろ、私は死ぬ気でいた。 そうなやんでいると、ドアを叩く音が響いた。 「はいるぜ?」 聞こえたのはベルの声。 「えぇ。」 そう返事をするとベルがはいってくる。 入ってくるなりニヤリと笑って、私の横にナイフを投げた。 「俺様が直々におしえてあげるぜ。 そのチェーンを外すには、その化け物の炎と同等の覚悟が必要らしいぜ? まだ、姫にはその覚悟がねーってことだろ。 もう俺らがいんだぜ?おもいっきり、頼っていい。 だから、守られる覚悟決めろよ? それに俺らは、泣く子も黙るヴァリアーだぜ」 そう言って頭を撫でてきたベル、スクとは違う安心感に包まれた。 「ありがとう。」 「ししっ、久しぶりに姫の声聞けたしいーって」 「なにそれ」 ふふっと笑うと私を包んだベルの体。 「姫は俺の姉貴みたいなもんだったんだよ。 勝手にいなくなられた俺の身にもなれっつーの」 「ごめんね、」 ベルの体に手を回し頭を撫でる。 そのとたん、フラッシュが目に染みた。 「浮気現場発見ですー」 その先にあった姿はフラン。 「ちょっとフラン君!」 「ししっ、いんじゃね?スクアーロ妬かしてやろーぜ!」 「嫌ですよーあの人病んでるの1番うざいんですからー。」 そう言ってベッドに腰掛けたフラン君のこめかみから汗が流れた。 「フラン君・・・身体」 「いいですよー。これはただの水ですからー」 「ししっ強がってやんの」 ベルのからかいをスルーして私をみたフラン君は少し青い顔をしていた。 「ミーは先輩のことよくしりませーん、だけど隊長が先輩のことうざいくらい大切に思ってるのはわかりますー。 もう、隊長と話さなくて大丈夫ですかー?」 「大丈夫、ありがとうフラン君。」 「どーいたしましてですー。」 心なしか笑ったフラン君。 すぅっと消えた何かを感じ出なくなった声に苦笑する。 「ちゃんと話せるように、絶対なりますからー」 ←→ 戻る |