もっと知りたい 『365日のうち貴方の愛した人は何日傍にいてくれた?』 ☆★☆★ ジクジクと痛む関節を撫でながら、ザンザスの部屋へと入る。 ずっと姫と一緒に居たいが、入れないのは大人として解っている。 ザンザスはなぜか俺にかなり任務を渡す。 最初はかなりむかついたが解った、俺が姫といることで少なからず気づ付いている事をザンザスは解っているんだろう。 「ザンザス…帰ったぜぇ」 「まだ生きてたか。」 「うるせぇ。」 「おい、カス。お前はどう思う。」 こちらを見ていないから…否見ていてもザンザスの表情から感情を読むのは無理だっただろう、解らないザンザスの次の言葉にあいまいな返事を返す。 「姫と化け物を一つにすれば、アイツの声はもどるんじゃねぇのか」 その言葉でザンザスの考えている事が解って、反射的にバシンとザンザスの机を叩いていた。 「不老不死なんて、そんな辛い事姫にさせられるわけねぇだろ。」 「けど、話してぇんじゃねぇのか。このまま死なれたら嫌なんじゃねぇのか」 「それは…」 あたりまえだろう。それは声に出せずに下唇を噛んだ。 俺の様子に愛想を付かせたのかなにをしたのか少しため息をついてザンザスが言った。 「・・・そろそろ、話し聞きに行くぞ」 ☆★☆★ ザンザスが言った言葉は確かだ、このまま死なれたくないし、また声も聞きたい・・・けれども死なせないことは早く化け物を殺せばいいだけだ、声だってきっとなんとかできるはず・・・ いつの間にかついていた姫の部屋の前でため息を一度つきドアを叩く。 「姫・・・はいるぞぉ。」 部屋にはいるとフランがいた。 「あ、せんぱーい。どうしたんですかー?」 当たり前のように居座っていたフランに大人げないかもしれないが少しイラッとした。 「なんで、お前がいんだぁ?」 その問いに姫が笑い携帯をみせてきた。 『ベルがから逃げてるらしーよ』 「くだらねーことしてねーで、仕事しろぉ」 そういうと、文句ありげな顔をしてでていくフラン。 足を片方外に出して止まったと思ったら、ひょこっとこちらをみて口を開いた。 「せんぱーい。 あとで話しあるんで、談話室きてくださいねー」 「おぅ」 いいからいけと言い姫に向きなおす。 「ザンザスが、昼過ぎに来るっていってたぜぇ・・・ 話しまとめておけぇ」 また、すこし暗い顔をして頷いた姫。 辛いことなのだろう、姫の中には多分自分の我が儘だ、という意識があるにちがいない。 「無理・・・かぁ?」 首を大きくふり打ちはじめる 『大丈夫。もう話せるよ。』 そう、笑った顔を見て、安心した。 その笑顔は昔の笑顔と同じだったから。 『それに、スクがいてくれるんでしょ?』 「あぁ・・・あたりまえだ。」 そっと姫の体を引き寄せ抱きしめる。 俺も知りたいんだ、姫が生きてきた10年間を。 抱きしめた所から姫の低い体温が俺に伝わった。 こんな姫を不老不死なんかにはさせれない、一緒に生きて、一緒に死にたいから ←→ 戻る |