封印されたはずのリング 『ねぇ、知ってる?闇の守護者は不死身になれるのよ?』 ☆★☆★ 医務室のVIP室の中(幹部の為の個室)ベルに話を聞きに来た。 本当は、姫の元に居たかったがザンザスが二人きりにしろと言ったためココに来た。 少しでもなんでも良いから知りたかったから。 ベッドに寄り掛かりながら、ナイフをダーツ変わりにし、ダーツ板に投げていたベルの横に座るとベルが俺の言葉を聞かないまま、言葉を発した。 「俺が見つけたときは敵に囲まれてた。 多分、姫が持ってたリングのせいじゃねーの?」 「リング…?」 「ヘルリング、薔薇がついてた…」 「…おい。フラン呼んで来い」 横に居た隊員に声をかけるとはっ、と短く隊員の声が聞こえとたんに二人きりになる空間。 「どうすんの?」 「何がだぁ」 「闇の守護者は、不幸を運ぶ。 そう聞いたんだけど」 …闇の守護者は、歴代の記憶を持っていて中に眠る化け物を封印している。 闇の守護者が壊れれば、その化け物の封印は説かれてしまうらしく、その化け物は世界をも破滅させるだろう、と言われている。 「…俺らが守るしかねぇんだよ」 そう、俺らが守らなければいけないんだ。 情けないかもしれないが、俺一人の力で守れる気がしないのも確かだ。 10年前の、俺なら一人でも守れると自信があっただろうが結果、俺のせいで姫は消えてしまったのだから。 ☆Before TenYear★ もぬけの殻になっていた姫の部屋の机の上に合った紙には姫の文字。 『ごめんなさい』 そう書かれた紙には、濡れた後があった。 「んでだよ」 ぼそり、と呟いたとたん新たに濡れた紙。 その紙を濡らしたのは俺の涙だった。 守るって、決めていたのに、俺は守ることさえできなくて、それどころか、姫の苦しみにさえ気づく事ができなかった。 ☆★☆★ 「しし、しかたねーから付き合ってやるよ」 パサリと靡いた前髪の間から見えたベルの目を見てたら、先程から後ろに立つフランから面倒臭さそうな声が放たれた。 「つーか、それってミーもやんなきゃいけないんですかー?」 「ししっ、お前もに決まってんだろ。」 シュッと俺の横をナイフが通り過ぎてフランの頭にかぶされた蛙に刺さる。 「堕天使なんかにきいてないんですけどー つーか、良い気味です―。そのまま死んでくれませんかー?」 「はっ?無理だし、つーかやるの命令だしっ」 「で?カ…センパ―イ何の用ですかー?」 窓の外をみて、面倒くさそうに欠伸をしたフランにまたナイフが投げられたがそれを無視して話をはじめた。 「薔薇のついてヘルリング…知っているか?」 それを聞いた時フランの体が微妙にだがピクリと跳ねたのが分かった。 「知っているんだろぉ?」 「そうですねー。話せば長くなりますが…」 チラリとこちらの様子見るフラン 「言った方がいいみたいですねー」 そう言って、窓の外に向き直ったフランから残酷なる言葉を聞かされた。 「ヘルリングの中でも、もっとも危険と呼ばれる殺人リングですよー」 ☆★☆★ リングの名前は【Rovina(ロビーナ)】 使い手の体の機能を使い発動する。 薔薇は、言い伝えの化け物を封印しているものらしい。 それを聞いて、すぐに部屋を飛び出そうとした時、フランから言葉が発さられた。 「普通だったら発動期間が10年・・・78000時間に達すると死にますよー。 それと、化け物とひとつになれば不死身になるって噂もありますー。」 ☆★☆★ ザンザスの元へ行った、花瓶を投げられたが事情を話すとすぐに調べさせろと言葉を貰い、姫を医務室で精密検査させた。 その結果、食道、胃、肝臓、右肺はすでに機能していないらしい。 姫は、どんな思いで1人で生きてきたのか… いたたまれない気持と、自分が早く見つけることができなかった愚かさとすべてに押しつぶされそうになった。 ←→ 戻る |