最終的な問題

『良い意味の言葉は信じられなくても、なぜか悪い意味の言葉ばかりまにうけてしまうのは当たり前でしょう?』

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「ふんふふーん。」

仕事終わりの香水臭い身体を流そうと、気持ち良い、ちょうど良い温度のお湯に浸かりながら頭を洗っていた。

バシンッと壊れたドアと引き返えに聞こえた低い声。

「おい、跳ね馬面かせぇ」

ザンザスがきた。

風呂にまで。

「ちょ、ちょっとおちつけ?」

とりあえずシャンプー流させてくれ。なんて思っていると、ザンザスが唾をはいて言った。

「貧相な身体みせんじゃねぇ、きたねぇ」

いや、お前が勝手に入ってきたんだろ、勝手に

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警備のやつらが止めてきたのもかかわらず、ずかずかと入っていったザンザス。

尻拭いをするこっちの身にもなれ、というか風呂にまではいるとはな・・・

ディーノにプライベートはないのかと少し可哀相に思った。

ザンザスだけが戻ってきて、すこししてからディーノが、でてきた。

「あぁ、スクアーロもきてたのか。」

そう言うと、回りの部下を下げさせた。

「率直にいう。
なぜ、あれを姫にわたした?」

ザンザスから強い殺気がする。

けれども、ディーノは苦笑いを浮かべるだけで、答えた。

「それが、あいつの意思だったから。」

それだけ

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「せんぱーい。ミー考えたんですけどー。」

談話室でいつも通りごろごろしていたら、カエルが急に話し出す。

今まで本を読んでたはずだったのに、その本は机の上に置かれていた。

「ししっ、んだよ?」

「あの化け物出てくる前にリング壊せばいいだけじゃないですかー?」

当たり前のことを行ってきたカエル。やっぱバカだな。

「壊せないらしいぜ?」


少し嫌な顔をしたカエル。
「所詮、リングですよー。」

俺も最初そう思っていた。

壊せないはずがない、と。

けれども実際壊せなかったのだ、ボスの手でも。

「…あの中の化け物ってなんなんだよ?」

俺が知らなくて、カエルが知っていることはあの化け物についてだけだろう。

「んー。なんて言うんですかー。
 歴代闇の守護者の憎悪であの化け物は作られたらしいんですねー。
 で、中の化け物は人型だとかー。
 ミーもよく分らないんですよー。
 なんせ、あの化け物ができたのは100年前ですよー?」

そんなことを言ってまた本をまた手にとり読み始めた。

けれどもフランも少なからず悩んでいるのだろう。

本が逆さまだ。

「…それって、歴代の闇の守護者の魂でつくられたってことかよ」

「だから、やっかいなんですー。
 闇の守護者にしか浄化できないらしいですしねー」

それって俺らになんとかできる問題じゃねーってこと?

・・・けど手助けは出来るんだろう。

俺が姫に協力する理由、大切な仲間だから、もちろんそうだが、スクアーロに今までの借りを返すためだ。

なんだかんだで俺はスクアーロにいろいろ助けられているから。




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