Metempsychosis
in Tales of the Abyss

総ては夢

『私』は走っていた。

色の無い、

黒と灰色だけで構成された世界を。


ただ必死に、

ただただ全力で、

ひたすら、休む事なく。



『私』は

止まってはいけない、

振り返ってはいけないのだから。



だって、

追われているから、

止まったら、

追いつかれてしまうから、



ーーーー…何、に?



………とても、

そう、

とても、恐い、怖い、何かに……

だから、


ただ、走って走って走って走って、走って……



ふ…と、


ーーーーーー…これは、夢よ


、と


そう、【私】が言うのに、


『私』は呆気なくも揺さぶられた。



【私】は言う。


だって、


だって、


『私』はこんなにも、

走って、
走って、
走っているのに、


景色はちっとも変わらない。


世界が、ちっとも動かない。


『私』だけが、


ただただその場で走り続けている。



【私】が言う。


ーーーー…これは夢


ーーーー…何故、


ーーーー…そんなにも必死に、


ーーーー…何故、


ーーーー…そんなにも全力で、


ーーーー…走り続けているの?


ーーーー…一体何に、


ーーーー…一体何を、


ーーーー…恐れているの?


ーーーー…これは夢、


ーーーー…これは夢なの。


ーーーー…『私』が恐い何かに追われているのも、


ーーーー…総てが夢なのだから、






























ネ ?

何 モ 変 ワ ラ ナ イ





執筆 20110714

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