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 イライラする。

 すごくイライラする。

 とにかくイライラする。


「だから死ね」

 顔を見るなり言うと、目の前の銀髪の青年は不機嫌なのを隠す様子もない顔で見下ろしてきた。

 見下ろす、ということは当然、向こうの方が背が高いからこそできる芸当なのであって、それもまたすべからくイライラさせる。

 いつも無関心そうに余裕ぶっていて、こうやってK9999にことあるごとにつっかかられてこようとも、問題など何一つなさそうな顔で。不意に手をのばしてK9999の額を人差し指で思いっきり弾いたかと思えば、K9999がよろめいてバランスを崩した隙に立ち去ってしまった。

 イラつく!

 だからと言って後を追いかけるのも癪で、勢いよく壁を蹴りつけてとりあえずのストレスをぶつける。

 ムカつく!!

 その細い肩を大きく震わせるK9999の背中をアンヘルが苦笑まじりに、子供をあやすような手つきで優しくなでるのも、いつものことだ。そんなにキライならいちいち構ったりしなければいいのに、そう思ってもアンヘルは言わない。何故ならK9999のアイデンティティは「K’を倒すこと」ただそれだけで、他のものなんか何も目に入ってやしないのだから。言ってもムダなことは言わない。

 しばらくしてようやく気分が落ちつきはじめたのか、K9999は身体の前に流れるマントを無造作に払いのけ、それでも苛立たしげな足取りでK’とは逆の、自分が来た方へと歩き出す。

 イヤな奴の顔を見た。

 気分が悪い。

 またカプセル錠を飲まなければいけない。

 それもこれも全て、できそこないなK’のせいだ。


 アンヘルに「もしかしてそれってば恋なんじゃにゃいの〜?」なんてからかわれるこの感情も、K’に関係すること何もかも。

 消すことなんてできはしないのだと心の奥で分かってはいるが、綺麗に全部消えてしまえばいいのに。

END



サイト始動1作目ということで、サイト名と同じタイトルにしてみましたところ、ダッ9と言うよりはK9999→K’な話ですね。この2人はトムとジェリーみたいな関係が理想です。あと、いじめっこといじめられっこ。
ホントはK9999が公式でなかったことにされてしまったことに対するアレコレな気持ちに関した話にしようかと思いましたが、敢えてやめておきました。

でも、書きたいなあとは思うのでそのうちにでも。


20100207 UP






 

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 NOVEL / KQ 



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